フィッターの独り言

ゴルフショップ「マスターズゴルフ」のフィッターが徒然なるままにつぶやいてます。

飛ぶクラブ選びの条件「シャフト」・補足

2006年06月10日 21時00分48秒 | ゴルフフィッティング

5日の独り言“飛ぶクラブ選びの条件「シャフト」”に「一般的なスイングであれば既製品のシャフトで大丈夫なのだろうが、今回のように圧倒的なスイングテンポの数値が出るような場合は一般向け既製品のシャフトでは合わない事が多い。」と書いた事に関して、と東京の“N”様からご質問メールを頂戴した。

内容は、大きく分けて、

1.一般的なスイングとは?、 
2.既製品のシャフトとは?、 
3.クラブメーカーの標準装着シャフトよりもシャフトメーカーの人気シャフトの方が飛ぶと言うのは本当?。


との大きく分けて3点だった。

少し舌足らずな書き方をしてしまったと反省しながら、“N”様には詳しくご説明させて頂いたつもりだが、他の皆様にも誤解を招いていては申し訳ないと考えて少し釈明というか、補足説明をさせて頂く。\(_ _)ハンセイ

クラブメーカーが製品を開発し、発売するに当たって、一番気にする事は何か? 当然だが「数多く売れるか?」である。「貴方に合うか?では無いのである。」

したがって、より多くのお客様が存在するターゲット層に向けて商品を企画する事になる。この事は何処のメーカーのカタログを見ても、左利き用のクラブがあまりにも少ない事でも見て取れる。(
PINGだけば別格。殆ど左右同等に設定されており、頭が下がる。)

と言う事は、シャフトに関しても出来るだけ最大公約数的な特性を持つ物を使いたい訳で、一般的なスイングとは、この最大公約数的なスイングと言う事になる。ヘッドスピードに応じた適度な力み具合、ヘッドスピードに応じた適度なスイングテンポと言う事である。

一般的でないとは、ヘッドスピードは遅いのに凄く力んだり、同じくスイングテンポが速かったりと言う場合等がそれに当たる訳である。カタログを注視して頂くとわかるが何処のメーカーのシャフトもハードヒッター(=ヘッドスピードが速い人)用のクラブはシャフトが重く、スインガー(=ヘッドスピードが遅い。)はシャフトが軽いと言う図式が成り立っている。

しかし、フィッターの経験ではこの図式に当てはまらない方が意外と多い訳で、例えば、ヘッドスピードは遅くても力み等が原因で、重いシャフトを採用した方が遙かに結果が良いという事が意外と多い。したがってこのような場合は既製品のクラブに装着された物では合わない訳で、それ相応の別のシャフトを推奨するケースが多い。

既製品のシャフトとは、既製品のクラブに標準装着されているシャフトと言う意味で、殆どはクラブメーカーのマーク入りである訳で、どちらかと言うと当たり障りのないと言うか、う~ん、出来るだけ多くの方に合いそうなと言うか、特に癖のない様な物が多くなりがちである。
勿論、新製品ヘッドが出来上がってから社内でテスターに色々なシャフトをテストして一番結果の良い物を採用している場合も伺えるが、どうしてもこの傾向は出てしまうようである。

一方シャフトメーカーのパーツで売られている物は、万が一合わなくてもリスクが無いに等しい?からか、結構色んな癖の強い物が並んでおり、より適合性をを追求すれば「標準装着より飛んだ!」と言う事もあり得る訳。しかし、流行に流されたり、いい加減なフィッティングでリシャフトした場合には宝くじを買うような物で、飛距離アップする保証はないどころか、かえって調子が悪くなる事があるのも事実である。 (+。+)アチャー。

余談だが、クラブメーカーでシャフトを自社生産しているのは、フィッターの知る限りでは、
ミズノホンマくらいで、殆どのメーカーはシャフトメーカーから購入(下請け生産も含む)している訳である。

かつては“がまかつ”や“シマノ”等が自社生産シャフトを引っ提げてクラブ製造に参入していたが、いつの間にか撤退してしまった。それだけクラブメーカーがシャフトまで製造すると言うのはリスクが大きいと言うことなのだろう。

そう言えば、以前、キャ○ウェ○社の工場見学をさせて頂いた際に「自社で設計したシャフトを数時間以内に製造出来る凄い装置がある。」と聞いて胸をときめかせて拝見したが、「一部のプロにだけ供給可能で、市販品にはシャフトメーカーから購入した物を装着している。」と訊いてズッコケタ経験がある。(゜o゜)ヾ(--;オイオイ…

※画像は当店で人気の高い、国産三大シャフトメーカーのカーボンシャフト。

 


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