剣道経験者は硬めのシャフトを試すべし。

先般からフィッティングのご予約を頂いていた福岡市
の“Ｉ”様ご来店、先のお客様のフィッティングが長
引いて、少々お待たせしてアイアンから診断開始。

ヘッドスピードはＩ６で３７m/s、スイングプレーン
は６５°とアップライト、スイングテンポは６。ヘッ
ドスピードこそ速くはないが、リスト使ったアップラ
イトなスイングが特徴。

今お使いのアイアンはつるやゴールデンプリックス 
TX-90 (Flex2)である。シャフトが少し軽すぎでフレ
ックスも手元の硬さが不足しており、ライ角はＩ６で
６２°と少しアップライトだが、これ以上は調整不可
能。どうしても普通にスイングされるとトゥー側が擦
れてしまい抜けが悪い現象が起きてしまっている。

ライ角６０°と６４°のフィッティング用テストクラ
ブをお試し頂くと６０°では打点がバラツキ気味で、
６４°では打点がピタリと決まる。

次にシャフトも各種お試し頂いた上で、先のテストク
ラブに付いていたライフル6.0が一番打点がまとまっ
ており、ご本人も打ちやすそうである。

「打ちやすいですが、私はヘッドスピードもそんなに
速くないのに重いライフルとは？」とご疑問もあった
ようだが、「剣道をしていました。」とお聞きして納
得。手首の鍛錬にこれ以上のスポーツは無い。剣道を
されていた方はヘッドスピードの割に硬め重めが合う
のである。

結局ミズノ ＭＰ－２７ヘッドにライフル（6.0）でカ
スタムオーダーさせて頂く事にして、再度ライ角フィ
ッティングをさせて頂いて細かなデータを煮詰める。

Ｗ１は最近購入されたばかりと仰るヨネックス　サイ
バースター　ナノＶ（Ｓ）である。少し軽いようで、
ヘッドに鉛を貼っておられたが、これではシャフトの
撓りが余計に出てしまう。

ご了解を頂いてそれを剥がしてシャフトのバット側か
ら１４インチの所に１０ｇ程の鉛を貼らせて頂く。
これで手応えは重量感が出て、硬さも少し柔らかい物
のそのままお使いになるよりは良いでしょうとお試し
頂くと安定性も良くなり、飛距離も伸びて来たので二
人で顔を見合わせて安堵。

「ＦＷも何か良いのは？」と仰るのでＷ１とアイアン
との中間に値する重量のミズノＭＰ－００３ FW をお
買上頂く。（このＦＷはどういう訳か同シリーズのＷ
１がフラットなのにアップライトなので丁度良い
筈。）

この後で更に現在お持ちの、パターのアライメント調
整、クリーブランドウェッジもライ角調整と、最近替
えられたばかりの細すぎるグリップを交換させて頂き
所要時間２時間半。「アイアンは出来上がり次第お送
りしますので半年先に再度ご来店下さい。」とお願い
して福岡に向けてお見送り。

※画像は“Ｉ”様のアイアンでのインパクト前後。
  少々ボールとの距離が近すぎて、踵体重になられる
  ので、少しボールから離れてつま先体重にされるよ
  うアドバイスさせて頂いた。