18回目を迎えた今年のアート・クラフトフェアは、2日間とも気温が28℃と好天というよりほぼ真夏日の中で開催されました。全国各地から348人の作家さんが参加、例年より初出店が多いように感じました。クラフト大賞は静岡県の奥山硝子工房さんのガラスのプレート「紺青星空」でした。ブルーのガラスに銀を混ぜ焼成すると、その成分だけが残ることでキラキラが現れるそうです。制作には3日間かかるとのこと。(下の氷のように見えるのは展示台です。)
準大賞は静岡県のLeather Kakeiさんの「革のたいやき」。本物と見まごうようなたい焼きは思わず笑顔になります。その他にも「今革焼き」や「小籠包」など、ユーモア溢れる作品群は大人気で常に人だかりができていました。
奨励賞は3組あります。1人目はこれも静岡県のマノミホIRON ART FACTORYさんの「リュウグウノツカイ」。いくつものパーツに別れた鉄を叩いて繋ぎ合わせた作品ですが、特に型は無いそうで、裏表を調節しながら合わせるのが大変だったとのこと。マノミホさんは、静岡文化芸術大学の卒業生で、卒業後も地元で鉄を使った創作活動を続けてみえ、駅近くの商業施設内には彼女の作品を展示するスペースもあります。2人目は石川県から参加のJiu Glassさん。電気炉を用いて制作するガラス工芸技法「キルンワーク」によるガラスのインテリア小物です。繊細な柄が何十にも重なって、独特の透明感と奥行感を出しています。3人目は愛知県のneedle works monchiさん。羊毛フェルトによる希少なカブトムシの標本です。思わず二度見するほどの出来栄えで、標本にしたセンスに脱帽です。他にもリアルな幼虫や、様々な動物の作品が並び、とても楽しいブースでした。
今回とても嬉しかったことがあります。私は「もしかしたらムサ美の卒業生が出展しているかも?」と思い、毎回ムサ美の校友会のTシャツを着て行く(!)のですが、会場を歩いていたら、小走りに近寄って来た方から「ムサ美の卒業生の方ですか?」と初めて声を掛けられました。神奈川県在住で陶磁作品を制作されているOさんです。通信の卒業生とのことで、副業を兼ねた趣味として、波や水をイメージした水色~青系の小皿やカップ、花器等を制作され、各地のクラフトフェアやマルシェへ精力的に出品されてみえます。皆さんもムサ美Tシャツを着たオヤジを見たら、ぜひ声を掛けて下さいね!