今日は『ドキドキ再婚ロマンス』からこのセリフにしました。このセリフは…。
次男のホテが、シヌク夫婦の営む焼き肉店のアルバイトのスニョンと付き合っていたことを知り、夫婦はショックを受けます。ことに母親のミスクはホテが映画監督として名声を得て、その地位にふさわしい伴侶を期待していたため、スニョンがいくら出来のいいアルバイトとはいえ、頭でわかっていても心では許せずにいました。そこへミスクより先に達観したシヌクが言った言葉になります。
人の欲望の本質を、めちゃくちゃ簡単に説いた名セリフです。管理人が長らくNo.1セリフだと思っていた、「人は欲しいものを得た瞬間から飽きを覚える」というセリフを1位の座から簡単に蹴落としてしまいました(笑)嫌みがなく本当に素直に表現しているからです。
この手の自己実現的なセリフの時に、いつも引き合いに出して恐縮なんですが、グリム童話のヒラメと漁師に出てくるぼろ家のおかみがその典型例です。漁師が助けたヒラメにおかみが要求するものが、普通の家→城→王→皇帝→法王、というように上がって行きます(最後に恐れ多くも神になりたい、と言ってもとのぼろ家に戻されるわけですが)。このプロセスこそ、今になっても変わらない人間の欲望の本質ですから、このプロセスを鮮やかに描き出せば出すほど傑作ドラマになるわけです笑。
ただ、いわゆる「向上心のない者は馬鹿」は言い過ぎにしても、全くそうした意欲がないのも問題ですよね。何ごとも落としどころがポイントなのかもしれません。