人間として当たり前のことの中に、我々が誰でも使える本物の成功の秘訣がある

ITスペシャリストが語る芸術

覚悟と誠意

昨日、少し、自動車セールス王のジョー・ジラードの話を書いたことで思ったが、彼の不思議な生涯のほんの少しのことを知れば、何でもうまくやれる方法が分かると思うのである
彼は、1963年から1978年の約15年間で13,001台の乗用車を売ったが、彼が自動車のセールスマンになったのは、たまたまだった。
彼は30歳の時、既に妻子がいたが、まともに働いておらず、帰宅する時は、借金取りに見つからないよう、家から離れた場所に車を止め、こっそり歩いて家に入らなければならないロクデナシだった。
そんなある日、彼は妻にこう言われて愕然とする。
「あなた、子供達が食べるものを買うお金を頂戴」
家にお金が全くなかったのだ。
彼は、お金を稼がないといけなかった。しかも、すぐに。
彼は、新聞の求人募集を見た。雇ってくれれば、どんな仕事でも良かった。
その時、たまたま目に留まったのが、自動車セールスマンの募集だった。

ところで、私は、この状況で、彼が、友達にお金を借りるとか、泥棒や強盗をしようと思わなかったことに気が付いた。
お金を借りることが出来る友達や親族はいなかったのかもしれない。
しかし、こんな時、盗んだり、奪ったりを考える者は少なくないと思う。
また、彼は、駄目男ではあっても、家族に対する責任も全く忘れていない。
つまり、ジラードは、ロクデナシではあるが、モラルとか良心は持っていたのだ。
まず、これが成功の秘訣の第一である。

ジラードは自動車販売会社に電話をし、そこに行くと、幸い、すぐに採用された。
そこの自動車販売会社では、セールスマン達は店内で待機し、店に客が入って来る度に、決められた順番で出て行って車を売り込んだ。まあ、滅多に売れるものではないだろう。
ところが、ある客が入ってきた時、ジラードは、勝手に出て行って客に話しかけた。
自分の番ではなかった。だが、そんなことはどうでも良かった。自分は車を売って、お金を得なければならないのだ。
ジラードは、車を買うまで、この客を帰すつもりはなかった。無茶苦茶である(笑)。
ジラードは、この時、どうやって車を売り込んだのか、全く覚えていないという。
だが、確かに車は売れ、ジラードは上司にコミッション(販売手数料)の前払いを頼み(承諾してくれるまで離すつもりはなかったのだろう)、見事、家族に食べさせるお金を得た。
この時の、常識など全く顧みない彼の強い目的意識が、成功の秘訣の第二である。

改めて述べると、ジラードは、泥棒をして安直にお金を得ようとはせず、また、家族に対する責任を忘れていなかった。つまり、モラルを持っていた。
そして、「妻子の食べ物を買うお金を得る」という強い目的を持った。
この2つ(モラルと目的)に注意したい。

※順番を無視してセールスしたところは、モラルに欠けると言えなくもないが、ここは大目に見たいと思う。それに、他のセールスマンは、あまりやる気がなかったのだった。

CLAMPの漫画『ツバサ』で、次元の魔女は、小狼(シャオラン。主人公の14歳の少年)に、
「覚悟と誠意。何かをやり遂げるために必要なものが、あなたにはちゃんと備わっているようね」
と言うのを、私はよく覚えているが、まさに、ジラードにはそれがあったのである。
覚悟と誠意は、かなり抽象的な言葉である。
ジラードの話から考えると、覚悟とは、目的のためには何でもするという心構えだ。
そして、誠意とは、責任を果たそうとする気持ちとモラルである。
覚悟だけなら、悪いことをして目的を果たそうとするかもしれない。
誠意だけでは、悩むばかりで実行力がない。
覚悟と誠意、2つが合わさってこそ、何かを成し遂げることが出来る
 
 

田舎者の偉大な成功の秘訣

今朝は、「自動車セールス王」ジョー・ジラードの、すぐに使える成功の秘訣を書いたが、今回は、「魔法を使って治している」とまで言われた驚異の精神科医ミルトン・エリクソンについて述べる。
エリクソンほど優れた精神科医は、まあ滅多にはいないが、エリクソンの恐るべき能力は、様々なところで発揮された。
学生時代、アルバイトでセールスをすれば、売れる見込みのない相手に不思議な方法で、相手にも喜ばれながら簡単に売ってしまうし、精神科医になった後は、札付きの不良高校生を、二言の会話で更生させてしまったこともあった。
エリクソンは、精神科医としてはもちろん、あらゆることに通じる万能の成功の秘訣を知っているのだ。
それは、彼の子供にも自然に伝授され、彼の娘は高校生の時、学園のプリンスを簡単な電話で落とし、また、彼女が高校教師になると、全ての教師に恐れられる暴力的な巨漢の男子高校生を、一瞬で自分の忠実な下僕に変えてしまった。

エリクソンの成功の秘訣は、エリクソンが父に教わったのだと思われる。
エリクソンが父について、こんな話をしているが、ここに彼の成功の秘訣のエッセンスがつまっている。
エリクソンの父(以降「父」とのみ記述)は、16歳で家出をし、持っていたお金で可能なだけ遠くに行った。
そして、行き着いた村で、牛車に乗った男に、こう言った。
「あなたの農場を手伝う聡明な若者を一人欲しいと思いませんか?」
普通の人なら、「僕を雇って下さい」と、自分の立場でモノを言う。
しかし、父は、相手の立場に立って言ったのだ。
我々で言えば、例えば、「Excel VBAがメチャメチャ出来る人を一人欲しいと思いませんか?」といった感じだ。
男は、父に牛車に乗るように言った。
男は、「なんだか義理の息子でも出来たみたいだ」と言った。
そりゃ、自分の立場に立ってくれる者は、本物の息子以上に息子に決まっている。
そして、それは、男の予感でもあった。
家に着くと、13歳の可憐な少女が父の方を見ていた。
父は、少女が、この男の娘であることを確認すると、父は、「君は僕のものだ。たった今から」と言った。
これも、普通の男なら、「ぼ、ぼ、ぼ、僕と付き合って下さい」とか言うのだが、それなら、ほぼフラれる。
いつもうまくいくわけではないが、積極的で断定的な態度でなければ、難しいことは失敗する。
父は、7年後に、この娘のプロポーズしたが、娘はミニチュアの手袋の半分を父に渡した。
この地方特有の、プロポーズの断り方だった。
翌日、父は再チェレンジし、娘に言った。
「僕は片方をくれなんて言ってない。僕はペアが欲しいんだ」
ここでも、普通の男なら、再チャレンジしたとしても、女に対し、俺と結婚したら、どんなにお得かなどを話すのだ。
だけどねえ、女ってのは、迷っている時は、いったん断るものなのだ。
だから、決めさせてあげないといけない。
そこで、やはり、父は相手の立場に立って考えたから、こんな手を思いついたのだ。

今朝のジョー・ジラードの話と同様、人間として当たり前のことの中に、我々が誰でも使える本物の成功の秘訣があるのである。
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