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あとはおまかせ
原発「爆発」から考えるリチウムイオン2次電池
なぜ「リチウム」なのでしょうか?
こうしたことを わかりやすく語れる方は そういません
以下に メモのつもりで 引用しましたが
ぜひ 読んでおきましょう
伊東 乾
水素イオンは、物質中で様々な「原・金属的な振る舞い」をしますが、一般的な意味での金属結晶を常温常圧で取ることはありません。
木星や土星の内部には大量の金属水素が存在する可能性も指摘されています
水素ガスは爆発する
水素は「原金属」で、反応すると大爆発してしまう。また水素はたった1個の陽子を原子核とする、最も簡単な元素、つまり最軽量の物質でもある。だから飛行船も浮かぶ・・・。
軽いのに高エネルギー、この観点から考えるとき、その次に軽い「究極の軽金属」がリチウムにほかなりません。
中学生高校生が習うサイエンス、また新聞で目にする事故のすぐ隣に、ノーベル賞を受ける本質的なヒントが常に潜んでいる。
「ビッグバン」で生まれたのがリチウム3という「最初の金属」でした。
リチウムは究極に軽い物質で、それより軽いのは「水素」と「ヘリウム」しかありません。水素は原発事故でも見た通り、高反応性を持ち、場合によると危険です。
どのようにすれば、地球環境を含めて環境持続的に、何度も繰り返し使える電池を実現することができるか?
オイルショックという現実を突きつけられたとき、究極の金属であるリチウムを使って、最初に「繰り返し利用できる充電可能な電池」2次電池の開発に成功したのが、今回ノーベル化学賞を受賞したスタンリー・ウィッティンガムらの初期の取り組みにほかなりません。
しかし、水素ガスが爆発しやすいのと同様、金属リチウムにも爆発その他の危険性が伴います。
今回吉野彰さんがノーベル化学賞を受けたのはリチウムイオン2次電池の実用化に向けてのいくつかの決定的な工夫の実装によるものです。
これを「社会的ニーズや会社の方針であれこれやってみて開発競争に成功したね。良かったね」的な浅い観点で見ることに、私は徹頭徹尾反対します。
吉野さんの初期の取り組みには、白川英樹先生の導電性プラスティック、ポリアセチレンつまり「電気を通す炭素化合物」の電子物性への本質的な検討がありました。
初期には、発火などの危険がある金属リチウムを電極に用いたため実用化しなかった「リチウム2次電池」が、「リチウムイオン」をやり取りする画期的な電池になるには、インターカレーションという全く別の、本質的な物性が決定的な役割を果たしています。
しかし、リチウムを含むアルカリ金属は反応性に富み、不安定で爆発などを起こしやすいこと、
そのような発火や爆発を防いで、どのようにして安全、軽量、小型でサステナブルな「反復利用可能な蓄電池」2次電池が実現可能か「アルカリ金属」は危険と100回言うより、危ない現場を見せた方が早い。読者の中には高校の化学で金属ナトリウムを見せてもらったことがある方もいると思います。
こんな動画(https://www.youtube.com/watch?v=TtPUIVsIGu4)がありました。
上の動画では、金属ナトリウムの小片を湿ったろ紙の上に落とすと、爪の先ほどのかけらが火を噴いて燃え上がるところを見せています。
電気分解と2次電池
水を電気分解すると(動画:http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005301361_00000&p=box)、つまり電流を流してエネルギーを投入してやると、前回も類似した式を書きましたが
2H2O + 投下したエネルギー → 2H2 + O2
のようにして、水素ガスと酸素ガスが出てきます。これらのガスは化学的にエネルギーをため込んだ高エネルギー状態、別の言い方をすれば「不安定な状態」にあるので、水素ガスを酸素と混ぜると、前回も記したように
2H2 + O2 → 2H2O + エネルギーを放出
となって外部に仕事をすることができる。
電池とは本質的にこれを緩やかに、安全に行う装置と考えることができ、上のH2が危険な「原・金属」であるのを、別のメタルに置き換えてやろうという話になります。
もう一つ、ネットにあった「塩化銅の電気分解」の動画(https://www.youtube.com/watch?v=8KYE0c03mP0)がとても分かりやすかったので 教育的観点から引用させていただきました。
ここでは、薄い青緑の塩化銅水溶液(10円玉に生えてくる緑青の類ですね)に直流の電気を流すと、プラス極からはガスが発生、マイナス極の表面には赤っぽい金属が析出するのが確認できます。上と同様に書くなら
CuCl2 + 投入したエネルギー → Cl2 + Cu
一つは、塩化銅の場合、陽極に有毒な塩素ガスが発生してしまうけれど、バッテリーでガスが出ると、仮に有毒でなかったとしても液漏れその他で使い物にならなくなります。
もう一つは、塩化銅の場合、陰極に金属銅が析出するけれど、仮にリチウムやナトリウムなどのアルカリ金属を用いて、それらが陰極に析出してしまうと、燃えたり爆発したりしてしまう。
そういう動画がありました(https://www.youtube.com/watch?v=bcVxKF75hUA)。目視で確認できるように、金属ナトリウムが燃え上がっています。
これが、リチウムを用いた電池が実験室では可能でも、実用に供しない基本的な背景
人類にとってネガティブな現実に対して、本質的な基礎科学の観点から、最も軽い金属であるリチウムを安全に充放電できる基礎システムを確立したのが、今回の化学賞のポイントだから
プラス極に硫化チタンという金属を用いました。この金属は、その構造の間に小さなリチウムをため込むことができたのです。
ウィッティンガムたちのグループは、この「はさみこみ」法の成功をもとに、その拡大を検討し始め、全世界でそれを追いかける競争が始まりました。
「挟み込み電極」、英語では「インターカレーション・エレクトロ―ド」と呼びます。
炭素を使った適切な構造を持つ電極で、金属リチウムが析出することなく、そのまま格納―放出されるような系を作れないか? こうした問いにブレークスルーを与えたのが、2000年にノーベル化学賞を得た白川英樹・筑波大学名誉教授の「導電性プラスチック」ポリアセチレンを陰極として利用できないか、という今回ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんの試み
水島公一さんがグッドイナフ教授のもとで取り組まれたのは、すでに40歳近い年齢、つまり博士を取得して10年近くプロとして経験を積んだ脂の乗り切った「個人の仕事」の成果で、かつ関連の物質探求、物質開発に莫大な可能性を開きました。
ノーベル賞を超える科学者は結構な頻度で登場されますが、水島公一博士はその一人と思います。
ノーベル賞を超える科学者は結構な頻度で登場されますが、水島公一博士はその一人
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