問われる日本の対応 「尹美香氏を入国禁止にせよ」

 

【有本香の以読制毒】問われる日本の対応 「尹美香氏を入国禁止にせよ」

10日午後のことだ。ある議員との面会のため、衆院議員会館を訪れた。国会閉会中の永田町は閑散としていたが、その静かさを破るような大声が聞こえてきた。

声の方向を見ると、第二議員会館の前の車両進入口の脇に20人ほどが集まっている。そろいのネービーカラーのTシャツ姿の集団で、その中の一人の男が大声の主らしく、やかましくスピーチしていたが、内容はまったく聞き取れない。

近づいて見ると、しゃべる男の胸前には「フクシマを忘れない」というプラカードが掲げられていた。「反原発」のデモのようだと分かったが、スピーチの内容は依然聞き取れない。なぜなら韓国語だったからだ。

前述のプラカード以外、集団が着ているTシャツのバックプリントから、議員会館の塀に掲げている大きな横断幕、スピーチまですべてが韓国語だ。

暑い夏の日にわざわざ、日本の首都、国会議員のオフィス前まで出張って、通行人の誰一人解さない外国語でデモをする異様。いや異様を通り越して、滑稽ですらあった。

私がさらに近づこうとすると、議員会館前の警備員から声をかけられた。

「あちらの関係者の方ですか?」

私が「いいえ」と答えると、「では、近づかないで。タクシーを拾うならここでどうぞ」と言ってきた。

変な話である。

日本人の私が日本の街路を歩くに際して、なぜ外国人の奇妙な政治デモに遠慮しなければならないのか。

私は仕方なく、車両進入路を挟んだところからデモ隊にカメラを向けた。ズームで撮影した画像に目をこらすと、おかっぱ頭の見覚えある女性が映っている。

慰安婦に関し、史実に基づかない内容での〝反日プロパガンダ〟を主導してきた活動家で、現在は国会議員の尹美香(ユン・ミヒャン)氏らしかった。

 

そういえば同日午前、韓国の国会議員が「福島の汚染水投棄阻止」を掲げて抗議行動するため来日したと報じられていたと思い出す。土地の不正取引疑惑で党を除名され、いまは無所属の尹議員と、野党・共に民主党所属議員10人の計11人だ。

とはいえ、目前にいるのがその一団かどうか確信を持てずにいたのだが、いまは便利な時代である。写真をツイッターにアップするとたちまち多くの人から情報が寄せられた。

なかでも、韓国国内で歴史に関するウソをただす活動をしている作家、金柄憲(キム・ビョンホン)氏の指摘が決め手となった。

金氏は私の写真の中の人物の顔を黄色のラインで囲み、「尹美香」とただし書きを付けてツイートしていた。

これに対し私が、「金先生、私が撮ったその写真の左にいる女性は、間違いなく尹美香ですか?」とリプライして尋ねると、金氏は「はい、そうです」と返答した。

さらに、金氏は「どうせ行ったから福島の海辺に行って寿司も食べて、北海道に行ってゴルフもしてこよう~ もちろん、永遠に戻ってこなければいいのですが」ともツイートし、尹氏の金銭にまつわる疑惑や、韓国向けの反日パフォーマンスに過ぎない行動を痛烈に嘲笑った。

 

この韓国議員団の行動に問題があることはいうまでもないが、私が問題にしたいのは日本の対応である。

本邦内での外国人の政治活動については、1978年のマクリーン事件に対する最高裁判決により、「日本国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等」は憲法上保証されていないと解されている。

尹氏らの馬鹿げた活動が、わが国の意思決定や実施に影響を及ぼすとは思えないが、それでも、長年にわたり日本の国益と名誉を毀損し続けてきた人物の新たな「日本貶し活動」を止めようともしない日本当局の姿勢はやはりおかしい。

尹氏こそ、上陸拒否事由の一つ、「日本の国益又は安全を害する恐れがあると認めるに足りる相当の理由がある人」ではないか。

今後、尹氏の入国を許可しない対応こそが、当たり前の国家の姿だ。

有本 香

ありもと・かおり ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

 

有本香の以読制毒(zakzak)

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