地元住民の怒り爆発、葛西臨海水族園建て替え計画

 

地元住民の怒り爆発、葛西臨海水族園建て替え計画 樹木伐採して太陽光パネル設置「自然を壊して…の風潮に猛烈な違和感」加藤康子氏(1/2ページ)

東京都江戸川区の葛西臨海公園内の水族園の建て替え計画をめぐり、住民らから反対の声が出ている。樹木を伐採して太陽光パネルを設置する方針について、自然破壊につながるリスクが指摘されているためだ。都内有数の野鳥スポットとしても知られる公園だが、適切な判断なのか。

建て替え計画は延べ床面積2万4000平方メートルの規模で、2028年の開園を見込む。公園を象徴するガラスドームは維持するが、隣接する淡水生物館は撤去する方向だ。

この計画について日本建築家協会が今月7日、「30年かけて育ててきた樹木の保存に関する不安がある」と表明した。

10日の都環境・建設委員会では、公園計画担当部長が、建設計画地の樹木の本数は約1400本とし、「樹木への影響を極力減らすよう配慮することとしている。樹木が支障となる場合、移植困難なものを除き移植を前提に設計を進めている」と答弁した。

新施設のイメージ図では、新施設の屋上などに多数の太陽光パネルが敷設されていることも懸念材料となっている。

 

都建設局の担当者は「現在、設計を行っているところで、パネルを置く場所はイメージとは変わる可能性がある」とするが、基本的にはパネルを設置する方向だ。

 

無所属(自由を守る会)の上田令子都議は「太陽光パネルは反射して光るので鳥類も嫌がる。台風時には強風が観測される地域でもあり、生物への影響や子供たちへのリスクもある」と批判する。

海沿いにある公園は地元の人にとって憩いの場だが、今回の計画をどうみているのか。

同区内の住民女性(73)は「これだけの量の木があっても塩害がすごい。木がないと困るし、野鳥もいなくなっちゃう。ソーラーも壊れやすいのよね」と不安げに話す。

近隣に住む男性(74)も「かっこつけてソーラーを設置するよりも木は木で立派なグリーンではないか」とする。

都では昨年成立した新築一戸建て住宅の太陽光パネル設置条例も議論を呼んだ。

太陽光パネルについては19年、台風15号の影響で、千葉県市原市の山倉ダムの太陽光パネルが破損し、発火する被害も出た。昨年冬には北海道えりも町で寒波によりパネルが吹き飛ばされた。

 

都市政策や再エネ政策に詳しい元内閣官房参与の加藤康子氏は

「世界の都市の中でも東京は緑が豊かで、外国人観光客の評価が高い。最近東京では、景観の良い臨海地域や、神宮の森を再開発をする計画を耳にするが、美しい緑の景観を変えることが東京の環境にプラスなのか疑問である。臨海地域の設計ではソーラーパネルが強調されているが、自然を壊してカーボンニュートラルという風潮に猛烈な違和感がある」と指摘した。

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