ニューヨークでは総菜調理で1000万円でも人が集まらない
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皆が仕事をしたがっているという幻想

アメリカでは最近毎月400万人が仕事をやめ、休業したり新たに就職している。

失業した訳ではなく、何らかの理由で自分の意思で仕事をやめ、新たな人生を模索している。

アメリカの雇用はひっ迫していて、失業率3.9%で新型コロナ流行前の水準に戻った。

失業率3.9%だから96%が働いているわけではなく、すぐにできる仕事を探している人が人口の3.9%という意味です。

アメリカには雇用者統計があるが人口の1/3しかカバーしていないし、自営業や主婦は統計から漏れているので実態はつかめない。

アメリカ女性は男性と同じように「働きたがっている」とされているが、世界のどの国も女性の労働率はあまり変わらない。


就労年齢のアメリカ人女性の労働率は7割台で日本も7割台、統計によっては日本のほうが高い事もある。

ある労働問題研究者は「女性の3割は何があっても働かず、働きたいとも思っていない」と結論付けている。

ここでいう働くは会社などで業務をする事で、こうした統計に家事や育児は含まれていない。


子供を5人産んで家事や育児に大忙しでも、欧米社会では「無職で働かない怠け者」のレッテルを張り、「仕事」をするように仕向けている。

これが先進国の出生率低下につながっていると思うのだが、欧米資本主義社会では「働くかどうか」だけで人間の価値を決める。

こうした幻想がコロナの流行長期化によって剥がれつつある。



総菜調理師の年収が1000万円

先日のテレビ番組でアメリカは6.9%の高成長率で、それは良いのだが人手不足で人件費が高騰していると報道された。

ジョージア州のスーパーの棚は多くが品切れで、アメリカ全土で食料品の15%が品切れになったという。

客は「肉もトイレットペーパーもない。信じられないよ」とインタビューに答えていた。


ニューヨークの老舗スーパーマネージャーは物流混乱で在庫がなくなり、棚の欠品が起きていると説明した。

物流混乱の原因はトラック運転手不足で、年収1000万でも運転手のなり手がいないと言う。

このスーパーでは総菜調理する料理人を年収1000万で募集したが、常時5人以上不足している。


離職ブームは「the Great Resignation=大退職時代」と呼ばれ、自発的退職者が1%台から一時4%台まで増えた。

フルタイムで働く労働者の46%が転職を検討していて、現在の退職者のほとんどが自発的退職者です。

トランプ、バイデン政権の数百兆円に達する給付金で、当面働く必要が無い人も多い。


給付金で消費が拡大し、アメリカは超好景気なので仕事は選び放題、総菜をつくったりトラック運転で1000万円もらえる。