ホワイトハウス、ブラックハウス

今のところバイデンの早期引退はまだ実現せず、宮廷陰謀はまだ続く

AC通信 No.849 (2021/07/04)AC 論説No.849 ホワイトハウス、ブラックハウス

建国記念日で国内は少し静かになったと思ったら宮廷内の陰謀論が出てきた。バイデン政権になって半年しか経っていないのにバイデンはダメと誰もが認めるようになった。ホワイトハウスは半分がカマラハリスの勢力だからホワイトハウスがいつの日かブラックハウスになるかも知れない。

G7旅行で世界にバイデンの智能減退をハッキリ見せつけたと思ったら、次の週に共和民主両党の議員とインフラ経費の交渉で共和党側の5790億ドルに賛成したと発表した。ところがバイデンはインフラ経費に賛成した翌日の6月26日になるとたちまち前言を翻して、6兆ドルの「人道的インフラ」予算に共和党の賛成がなければインフラ経費にサインしないと発表して共和党議員を憤慨させ、そのまた翌日この発言を取り消した。バイデン発言はサヨクや顧問の圧力であれこれ変わることがわかり、メディアでも第25条憲法修正案(大統領が執務不能の場合は国会多数決で引退させることができる)バイデンを引退させてハリスを昇進させる話が出て、これはハリス陣営の陰謀だとも言われた。

ところが肝心のハリスは国境視察でエルパソまで行ったのに、空港付近で記者会見をしただけ、国境から10マイルの所まで行ったのに国境を視察しなかったのでメディアの批判が相次ぎ、ハリスはバイデンより酷いダメな奴と言われるようになった。そしてバイデン引退説に対抗するようにハリスの無能ぶりがホワイトハウス内部から出てきたのである。

6月30日のPolitico誌の記事によると、ハリスの国境視察の前日にハリスの補佐官二人が辞任したという。続いてホワイトハウスの副大統領の幕僚たち22名が次々とメディアに彼女の人事関係の悪さ、補佐官や顧問たちとの相互信用と信頼関係のないこと、記者会見における失言、基本的事務の無責任さなどを暴く発言を次々と出てきた。ハリス叩きの記事はホワイトハウス内部の誰かがPolitico に漏らしたと言われる。誰が、どんな目的でハリスの無能無作為を暴露したのか。今のホワイトハウスは歴史ドラマのような宮廷陰謀が渦巻いているように見える。民主党議員たちもハリスに批判的である。

バイデンはダメだとわかったからハリスが引き継ぐべきだが、ハリスはバイデンより無能だから困る。バイデンはサヨクの言いなりになるが、ハリスは無責任だけどもサヨクの言いなりにならない。ホワイトハウスではバイデン派とハリス昇進派の暗闘と両側の暗闘を阻止する仲裁派がいる。Axiosの記事によるとハリス批判をメディアに流したのはバイデンの妻のJill Bidenらしい。

民主党にとってバイデンとハリスが分裂したら2024年の選挙に大きく影響する。バイデンは2024年の選挙に出る意欲があるらしいが民主党議員は誰も彼を推薦しないだろう。バイデンが出馬しないなら民主党候補になるのはハリスしかいないが、ハリスでは絶対負けると誰もが思っている。それほど民主党内部ではハリスの支持者がいない。しかしハリス以外に大統領候補になれるものがいない。だからハリスを批判するのは民主党に不利である。仲裁派であるホワイトハウスのRon Klain幕僚長は「バイデン大統領はハリス副大統領を信頼しているし、何時も執務室で一緒である」と述べた。もう一人の上級顧問Cedric Richmonは「Politico の記事は二人の仲を裂こうとするサボタージュだ」と述べた。

つまりホワイトハウスの現状はジル・バイデンの大統領擁護派、ハリスのバイデン早期引退派、Klain幕僚長の内部闘争仲裁派の三つ巴であると言える。

このような状況が起きたのは2020年の選挙で民主党がバイデンを候補者に選んだのが間違いだった。候補者になったバイデンは黒人のカマラ・ハリスをパートナに選んだ。だがハリスは2020年に立候補した12人ほどの候補者の中でも人気が最低だった。それでもとにかくバイデンが当選し、ハリスは副大統領となった。そしてバイデンは痴呆状態が明らかで人気は低迷、2024年には84歳となり再選に出馬する可能性は低い。民主党にとってバイデンの代わりはハリスしかいない。だから民主党はハリスを批判してはならない。だがハリスにとってはバイデンが早く引退すればハリスの地位が確実になる。バイデンの妻ジル・バイデンは夫の地位を維持したいからハリスを批判する。けれども民主党としてはジルバイデンがハリスの無能を批判するのは困る。

問題はカマラ・ハリス本人がダメなことだ。ハリスは就任してからこれまでの間に何度もトンデモ発言をして嘲笑されてきたし国境問題の最高責任者となっても何もしなかった。その上に彼女の補佐官や幕僚たちとの関係にも問題がある。彼女が指名した幕僚たちも黒人や女性などを起用したので多くは経験不足で政治的に無知である上にペロシ、サンダース、アラブ過激派との折り合いも良くない。

ボケ老人バイデンのホワイトハウスは誰が政治を牛耳っているのか。一般にはロン・クレイン幕僚長とスーザン・ライス、それにサキ報道官である。この3人はオバマの代理人で実際の黒幕はオバマである。このほかサンダースとウォレンの社会主義者、それにトランプ憎悪派ペロシの影響が強い。ハリスは何時も会議や記者会見でバイデンの横にいるが彼女がどれだけバイデンを補佐しているかはわからない。今のところバイデンの早期引退はまだ実現せず、宮廷陰謀はまだ続くと思われる。

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