これに対し新型コロナは毒性が弱いので、多くの場合、自然免疫で克服し、本人に自覚がないまま無症状か軽い風邪症状で終わる。

 ただ、感染者の一部は自然免疫では克服できず、数日かかって獲得免疫が発達し、発熱などの症状が出る。

 新型コロナはそれ自体では肺炎などは起こさないが、まれに、「サイトカイン・ストーム」と呼ばれる免疫システムの過剰反応(暴走)が起きて正常な細胞や臓器を攻撃し、重篤な肺炎や全身のウイルス血栓を発症し、死に至ることもある。つまり新型コロナは、伝染力は強いが、感染力も毒性も弱いウイルスなのだ。

 高橋教授は以上のように新型コロナウイルスを特徴づけたうえで、感染ステージ(段階)を「曝露していない(ステージ0)」から「死亡(同6)」まで7段階に分け、独自のシミュレーションをした。

 その結果、次のことが明らかになったという。

 このウイルスに曝露した人のうち98%は、自然免疫によって自覚がないまま無症状か軽い風邪のような症状で終わる。

 獲得免疫が発達し、ひどい風邪症状などになるのは曝露者の2%程度だ。

 さらに、このうちでサイトカイン・ストームが起きて重症化するのは、非常に少数だ。

 年代別にみると、30歳未満では10万人中5人、30~59歳で30人、60~69歳で150人、70歳以上で300人程度だと推定している。

 いくつかの仮定を置いた推計なので、数字の精度の問題はあるが、死者が何十万人も出るというような数理モデルによる推定よりも、はるかに現実に合致していると思われる。

 以上のようなデータや専門家の意見を総合すれば、新型コロナウイルスに「過剰」な恐怖心を抱く必要はない。

重要なのは「2%のリスク層」対策
年齢によるリスクに応じた対策が現実的

 高橋教授は独自の分析に基づき、政府や自治体の対策は「2%のリスク層」に重点を置くべきだとし、具体的には年齢によるリスク差を考慮した対応をしてはどうか、提案している。