共和党の分裂が始まった

 

AC通信 No.827 (2021/02/04)AC 論説No.827 共和党の分裂が始まった

指導者が権力闘争に敗退すると直ちに政敵の追撃だけでなく、党内からも権力を握ろうとする者や反対グループが攻撃に加わるのは世界の歴史でも明らかである。殊にトランプは5年の長きにわたってDeepStateと民主党、左翼メディアから激しい攻撃を受けていた。党内でもこれからトランプ離れが出てくるのは当然である。共和党内にもDeep Stateや中共に買収された者がいる。

トランプは今回の選挙で7400万票を集めた実績がある。国民の支持者が歴代の共和党大統領の中でもダントツだったから党内でもトランプを支持する政治家は多い。1月6日の国会乱入事件のあとペロシ議長は正当な手続きも共和党側の反論も無く大統領弾劾にサインして上院に持ち込んだ。弾劾案を受け取った上院ではランディ・ポール議員が引退した大統領を弾劾するのは憲法違反だと主張して票決を取ったら共和党議員50名のうち45名が弾劾に反対した。これで上院議員の3分の2が弾劾に賛成するのは不可能となって弾劾案は通らないことが明らかになった。

トランプ弾劾に賛成した共和党議員は下院で10名、上院で5名である。もともと反トランプだけども賛成票を投じたマッコーネル議員もいる。彼は1月まで上院議長だったが去年の選挙の結果がでてからどんどん反トランプの正体を表してきた。つまりトランプ弾劾に賛成した議員はロムニーのような「トランプヘイト派」とマッコーネルのような「反トランプ派」である。

マッコーネルは共和党の元老だが最近はトランプ派の掃討の首謀者である。もう一人の反トランプ議員で共和党のナンバー3と言われるリズ・チェイニーである。彼女がペロシの発案したトランプ弾劾に賛成票を投じたため彼女を共和党の下院主導者層から降ろす動きがあったが、2月4日水曜日の下院共和党総会ではチェイニー賛成派が勝利してリーダーの位置を確保した。

上院と下院で過半数を制した民主党は政党合作と言いながら実際には共和党打倒で民主党独裁を達成する。マッコーネル元議長はシューマー新議長に対しバイデン政権に合作して宥和路線を取ることで同意した。彼に失望した人はかなり多い。民主党は過去5年のあいだ全力でトランプに反対し、トランプの出した国家予算をカットし、ありえない理由で二度も弾劾した。その上にインチキ選挙で政権を盗み取ったのである。それなのにマッコーネルは早々とDeep Stateに降参したのである。

マッコーネルはこの数ヶ月の間に以下の主張を明らかにしていた。(1)11月の選挙に不正はなかった。(2)トランプは国会乱入の暴動を煽動した。(3)ペロシのトランプ弾劾に賛成したリズ・チェイニーを支持する。(4)トランプ支持者でQAnonに賛同したグリーン(Marjuorie Taylor Greene)議員を国会の二つの委員会から除外する民主党の主張に賛成する。(5)共和党はトランプのMAGA路線を捨ててバイデン政権に対し宥和政策を進める。

トランプは選挙で実際に7400万票を集めたのである。この数字は歴代大統領が選挙で獲得した数字より遥かに多く、トランプ支持者は今でも去年の選挙が違法だったと思っている。共和党議員にはマッコーネルの主張に反対するものが多い。

EconomistのYou Go Poll調査によると、共和党員の81%が今でもトランプを支持していると発表した。党員以外の調査では全国民の41%がトランプ支持である。そして共和党内のマッコーネル支持は僅かに27%で反マッコーネルは57%である。この数字が示しているのは国民全体、および共和党員はトランプの業績に賛成し、去年の選挙に多くの違法行為があったと信じ、インチキ選挙で当選したバイデン政権を認めず、マッコーネルの新路線に賛成していない。派閥闘争は始まったばかりだが分裂は明らかになった。マッコーネル主導なら共和党の衰退は加速すると思われる。

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