新橋駅から徒歩10分の森」、江戸の香りがする「浜離宮恩賜庭園」を歩く

 

 

「新橋駅から徒歩10分の森」、江戸の香りがする「浜離宮恩賜庭園」を歩く(福嶋 司)

将軍の鷹狩場から、海軍基地に

江戸の初期、この一帯は「芝」と呼ばれ、ヨシ原が広がる将軍家の鷹狩り場(御鷹場)であった。遠浅の海岸を埋め立て、四代将軍家綱が承応三年(1654)に弟の綱重に1万5000坪(4・95ヘクタール)の土地を邸地として与えた

 

道沿いに進むと周囲にはタブノキの大木からなる林が広がる。

この森の中心をなすタブノキは日本の低海抜地域の常緑広葉樹林の主要な構成種で、海岸近くで森林を作る。こんもりとした樹冠が特徴で、葉が日を浴びるときらきらと光る照葉樹である。この種はクスノキと同じクスノキ科の樹木であるが、樹皮はいぼ状でざらつき、白味を帯びた赤褐色の肌である。葉は芳香があるがクスノキほど強烈ではない(本書『カラー版 東京の森を歩く』28ページ参照)。

樹皮は八丈島特産の黄八丈の染料に用いられる。黄八丈という紬は鮮やかな黄色と褐色、黒の織物であるが、黄色は草本のコブナグサ、黒はスダジイ、褐色にこのタブノキが使われている。

 

枝や葉は乾燥させて粉にして線香や蚊取り線香の材料としても使われている。また、海岸地域や川岸近くに生育していることから、大きな幹をくりぬいて作った古代の丸木舟も発掘されている。

 

枝や葉は乾燥させて粉にして線香や蚊取り線香の材料としても使われている。また、海岸地域や川岸近くに生育していることから、大きな幹をくりぬいて作った古代の丸木舟も発掘されている。

福嶋司『カラー版 東京の森を歩く』には、東京の多様な森がカラー写真とともにふんだんに収められています。

 
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 人の見方を変... お行儀が悪い... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。