NHKによると『今から80年余り前、沖縄は本格的な軍事施設が存在しない「基地のない島」だった。』『太平洋戦争が始まると旧日本軍が飛行場などを次々に建設していった。』と説明している。
実は沖縄には戦前からずっと”反基地運動”があり、そのせいで日本政府は沖縄に遠慮し、本格的な軍事基地を設置しませんでした。
これをロシアとクリミアに置き換えると良くわかると思うのですが、ロシアは欲しいものが道に落ちていたので拾っただけです。
ロシアはウクライナの領土が欲しくてしょうがなく、非武装でウクライナ軍が存在しないクリミア半島を、まったく無抵抗で手に入れました。
もしクリミア半島に数万人程度の地上部隊があったり、米軍の小さな基地でもあったらロシア軍は決して侵攻しませんでした。
日本軍が沖縄に基地を建設したのは昭和16年の日米開戦以降で、当然ながら米国はもちろん日本国内でも沖縄基地の存在は隠されました。
そのせいで米軍は1945年(昭和20年)になっても「沖縄に基地は存在しない」、在っても小規模だと判断し、沖縄に上陸作戦を実施しました。
ところが1945年春には少年など動員兵を合わせると10万人の兵力があり、地下には塹壕や施設も建設されていて、米軍と激戦になった。
アメリカ軍は15万人以上の地上軍を上陸させ、日本軍8万人、民間人9万人、米軍2万人もの死者を出しました。
自衛隊と米軍が撤退したら沖縄は戦場になる
何度でも書くが日本軍はアメリカの民間人を一度も攻撃していないが、沖縄戦だけでアメリカ軍は9万人の無抵抗の民間人を犠牲にしました。
アメリカ政府と米軍は現在のロシア軍のように「無抵抗で沖縄を占領できる」と思っていたが、予想外の損害に動揺し、今度は広島長崎に原爆投下、各都市で「民間人だけを標的に」絨毯爆撃を繰り返した。
米側は反攻作戦としてまず東南アジアやフィリピンや太平洋諸島を占領し、次に台湾か沖縄、九州などを占領する事にした。
このうち九州には戦前から強力な日本軍地上部隊があり論外、台湾にも日中戦争で名を馳せた高雄航空隊や強力な地上軍が存在した。
沖縄には満足な地上軍が存在しないという情報だったので、米軍は沖縄に狙いを定め、台湾を素通りする事にした。
お蔭で台湾は第二次大戦中被害も受けずに戦争終了したが、もし戦前から沖縄に強力な地上軍があったら、アメリカ軍は沖縄も素通りし沖縄戦は起きなかった。
1945年の沖縄には航空戦力は余りなかったので、米軍が素通りしても背後から攻撃される恐れはありませんでした。
第二次大戦で沖縄が戦場になった理由は「基地がなかったから」で、その理由は沖縄人の反基地運動に日本軍が遠慮したからでした。
今も同じであり、もし沖縄県人の希望に沿って自衛隊と米軍が撤退したら、「待ってました!」と中国軍が押し寄せてきます。