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Tee Tree

2024-03-08 20:04:52 | Tee Tree
26第1話TeeTree
2万年後の銀河
第五部 
Tee Tree
第1話

Tee Tree

物語の大枠

第一部 ダニールの地球探索
第二部 ガイア
第三部 ウォンダとガールの地球探索
第四部 嵐の気配
第五部 Tee Tree
第六部 ベイタ・ダレル
第七部 アルカディア・ダレル
第八部 アルカディアの遺言

第四部「Tee Tree 」の大枠

26 第1話 Tee Tree
27 第2話 本当の商人は錬金術師
28 第3話 もう一人のドース
29 第4話 私の彼は宇宙飛行士だった
30 第5話 Hukushima
31 第6話 香りの谷のアルカディア
32 第7話 三人のジータ
33 第8話 第2ファウンデーション

あらすじ

 ダニール・オリヴォーの地球探索は、もうひとつの銀河復興の秘策を探るこころみでもあった。
 それとハリ・セルダンの「心理歴史学」の完成とそれへの新たな工夫を見いだすべく、シンナックスにいた若き証古学者、ガール・ドーニックをハリ・セルダンの後継者として仕立てる目的もあった。

 ガールがトランターに到着したやさき、セルダンの裁判に彼自身も巻き込まれ、彼は窮地に陥るのであったが、それはセルダンとダニールが巧妙に仕組んだ大計画のはじまりであったことを知る。

 ガールは、ターミナスへの51番目の執行部員の役を仰せつかったが、実質ナンバーワンの大役であった。

 ガールがターミナス渡航の準備をしている時、またしてもセルダンからの新任務が課せられた。

 ガールは、催眠術に懸けられていたのだろう、気がつけば見知らぬ航宙船のなかにいる自分に気がついた。見上げれば、容姿端麗な女性が立っていた。
 そして親しげにガールに話しかけてくる。
 
 無事に任務が完了した。放射能防御シールドのカーテンに護られ、二人は荒涼とした地球の大地を踏みしめた。ガールは朧気ながらに地球の光景を眺め、また遊んで走り回るウォンダを目を円くして眺めていただけであった。もう一つの使命など忘れていたように。

 再生の命というものなのであろうか!
 ウォンダが汲んだ水は三つに分けられ、それぞれ透明、紫、黄色のシリンダー・ペンダントに入れられ、そのうち紫のシリンダーはターミナスに避難した彼女の妹ベリスに渡してくれるようにウォンダがガールに頼んだ。

 それから100年が過ぎ、銀河帝国はハリ・セルダンの予測通り、随処に綻びが生じ、衰退の兆候が現れ始める。ファウンデーションは、最初、ファウンデーションの名が示すように名目上、トランターによる銀河帝国の辞書編纂図書館設立財団として、ひっそりとその役目を果たしていた。

 ターミナスが所属するアナクレオン星区の独立運動が勃発するやいなや、ターミナスは一気にアナクレオン星区を制圧下においてしまう。
 その立役者がサルヴァー・ハーディンであった。
 
 そのサルヴァー・ハーディンの活躍の後、ファウンデーションの勢力は強固になり、トランター帝国と正面からぶつかることとなる。圧倒的な勝利の後、ファウンデーションが全銀河の主役の地位を得る。

  
26

 「私は以前、少しばかりの貿易の知識を活用して、母の農場を大きく出来たことを誇りに思っている。
 母の農業は最初は広大な土地にラベンダーのみの栽培であったのだけれど。
 私は小さい頃、母が寝る前に読んでくれた『児童のための知識の書』にでてきた、まだ銀河帝国ができる前に宇宙を駆け巡って商売をしていたという『ベイリーワールド』という星の大商人の話やヘリコン星の水耕栽培の話には特に心を踊らせた。それが後になって本当に役に立ったのには驚いた。なぜって。私は、あの偉大なハーディンの、孫なのだけれど、彼が晩年、とった政策というのが、そろそろ次の段階として、ターミナスは商業ファウンデーションに以降すべきと主張し、実行に移して行ったから。
 それまでの原子力科学の維持はそのままにして、『銀河の聖霊教団』による布教の打ち切りを宣言した。なんという奇抜な決断なんでしょう。全ターミナスの人はびっくりしたものだ。大半の市民は猛反発だった。

 もっと驚いたことは、なんとその知恵の出所が母グレディアであったということ。
 その母の知恵はもっと凄まじいものだった。
 どこから考え着いたのであろう。自分の農場にラベンダーの他にティーツリーを植えた。これが大成功だった。ターミナスの土地の影響かもしれないけど、ラベンダーとティーツリーのエキスはバカ売れした。今では銀河全域に売れている。それもそのはず、銀河全域に文化・科学の衰退がはびこり、今では旧来の医学が機能しなくなった。このエキスはそれに替わって万能薬になって行ったというわけ。
 この成功の裏には、一人の商人との出会いがあるのだけれど...」(『アルカディア・マロウの日記』)





yatcha john s. 「 TEE TREE 」