美しき言尽くしてよ

京都旅行 その5


鳥居を入り、雪でぬかるんだ道をしっかり踏みしめながら、階段を上っていきました。







手水舎で手を清めて


 
本宮へ。




左手に上ってお参りするようになっているのですが、混んでいたので、そのまままっすぐ行くと、馬の銅像がありました。



この馬の銅像のちょうど上にあるのが本宮です。



絵馬の大元となった由来が書いてありました。


「貴船神社は古くより雨乞いの社として尊崇されています。祈雨には黒馬、祈晴には白馬や赤馬が奉納されていました。そして、生きた馬の代わりに板立馬が奉納されるようになり、今日の「絵馬」の原型となったといわれている」のだそうです。
絵馬は、昔は本物の馬を奉納し、後に本物の馬では大変なこともあり絵馬になったとは知っていましたが、貴船神社のここから来ているのですね。





本宮の御祭神は高龗神。
高龗神は古事記や日本書紀にも登場する神様です。
古事記には以下のように記されています。
「伊奘諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉命(いざなみのみこと)の夫婦神が力を合わせ、この地上にいろいろな神様をお生みになった。そして伊弉冉命が最後に火の神をお生みになったとき、その火に身を焼かれ、ついに亡くなってしまわれた。伊奘諾尊は「ただこの一人の子のために、わが愛妻を犠牲にしてしまった…」と恨み言を言われた。歎き悲しみ涙した伊奘諾尊。やがて憎み、腰に下げていた「十握剣(とつかのつるぎ)」を抜き、火の神を断ち切ってしまった。剣の刃から滴る血、鍔から滴る血、剣先から滴る血、剣の柄から滴る血、各々が神となった。(中略)剣の柄に溜まり、指の間から漏れ流れ滴る血がそそいで神となった。名付けて「闇龗(くらおかみ)」という。」

また日本書記には
「一書(第七)にいう。伊奘諾尊が剣を抜いて、軻遇突智(かぐつち)(火の神)を斬って、三つに絶たれた。その一つは雷の神となった。一つは大山祇神(おおやまつみ)となった。一つは高龗となった。」
かくして火の神から生まれた水の神が高龗神です。人にとって火は大事なものでありますが、使い方を間違えると大きな災いをも招きます。荒ぶる火を鎮めるため、火の神から水の神が誕生したのです。

高龗神と闇龗神
貴船神社の御祭神である高龗神は闇龗神とも伝わります。社記には「呼び名は違っても同じ神なり」と記されています。降雨・止雨を司る龍神であり、雲を呼び、雨を降らせ、陽を招き、降った雨を地中に蓄えさせて、それを少しずつ適量に湧き出させる働きを司る神です。一説には、高龗は「山上の龍神」、闇龗は「谷底暗闇の龍神」と言われています。 水は万物の命の源。生きとし生けるものが命をつなぐために片時もおろそかにすることができない大切な水の供給を司る「水源の神」です。 
とホームページに書かれています。

そう言えば大山阿夫利神社も同じ大山祇命、高龗神、大雷神が御祭神であり、奥宮まで上る途中には高龗神が祀られていますね。
関係ないかもしれませんが、鞍馬寺の地下といい、大山阿夫利神社と似たものを感じたのは、こういうところからもあるのかもしれません。




御神木、桂の木。
開運の木です。

本殿前のここで水占みくじができるそうで、たくさんの人が水に浮かべて占っていました。
我々は水が汲めるところは大体汲んで帰るので、今回も汲んで帰って、家でコーヒーを淹れていただきました。








貴船神社の参拝は三社詣といい、本社、奥宮、結社をめぐることを言うそうです。


ここから歩いて5分ほどの奥宮まで向かいます。

途中、木の上からばさばさっと雪が落ちてきてびっくりします。




割と固まって落ちてきたりするのですが、人間に当たっているのは小さい雪玉で、大きい固まりは人がいないところに落ちてくるので不思議なことだなと思いました。あんな大きいのが当たったら、小さい人だと危険だなと思ったので本当にありがたいことでした。




奥宮に着きました。


和泉式部が貴船神社に参拝した時の歌が、後拾遺和歌集に収録されています。
「もの思へば 沢の蛍も 我が身より あくがれいづる魂かとぞみる」

恋しさに悩んでいたら、沢に飛ぶ蛍も、私の体から抜け出した魂ではないかと見えるという歌。

夫の藤原保昌に忘れられている頃、参拝し読んだ歌だそうです。
それで思い橋と呼ばれているそう。


なんだか後の時代に書かれた『沙石集』にはこの時の参拝の様子が詳しく書かれていて、ほんまかいなという話なのですが、どうなんでしょう。
とにかく、保昌と和泉式部は元のさやに収まったそうです。

貴船におけるもう一つの和泉式部歌 | 京都クルーズ・ブログ

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 貴船神社をキーに、和泉式部を語るのであれば、もう一つ面白いエピソードがある。これも史実がどうのこうのできる次元のものではなく、伝説の一つだが、「あくがれ...

京都クルーズ・ブログ

 
こちらには和泉式部は恥ずかしがってやらなかったと書いてありますが、言われたとおりにやったと書いてあるものもあるとかで、どうなんでしょうね。

橋を渡ると大きな岩があり、とても気になりました。



つつみが岩。

貴船石特有の紫に輝き、古代火山灰堆積の模様を表し、形も整った、貴船石として代表的な巨岩で、高さ4・5メートル、重さ43トンもあるそうです。




ここでも雪がどさどさ降ってきます。こんなのが急に落ちてくるんですよ!
でも人には当たらない(笑)
昔、石上神宮で、池の周りを歩いていると、杉の枝が目の前に2回も3回も落ちてくるので怖くなって、回らずに引き返したのを思い出しました。
私はなんだか嫌われているのかと思い、ちょっとへこんでいたのですが、その後、境内の中に入ってお参りなどをして巡っていると、他の女性グループの前にも杉の枝が落ちてきて、「きゃーっ」とか言いながら、楽しそうなので、何だ、みんなに落ちてるんだと思って、怖くなくなった思い出。


奥宮に到着しました。







神門をくぐるとすぐ左手に杉と楓が合体した珍しい木がありました。
連理の杉と名付けられ、御神木になっています。


大正天皇の皇后さまが大正13年12月に参詣され、「この木は珍しいので大切に」と仰せになられたそうです。この日も雪が積もっていたのでしょうか。

奥の宮です。







この奥に龍穴があるのですが、見ることはできません。

長くなりましたが、さらに続きます笑









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