彼が学校に行くためには
7:20のバスに乗らないといけない
私は進学コースなので
7:30から特別授業が始まる
バス停はうちの高校から徒歩５分
なら、バス停で待ちあわせして朝デート
だったら
お弁当も渡しちゃおうと
俄然楽しみが出来た
彼は部活をしていないので
バスで戻ってくる間が
私の部活時間
終わった頃にバスがつく
それから、図書館デート
そうしたら元気でるでしょ？
はにかむ彼の笑顔に何度も救われた
彼は悟った
きっとまた………
翌日図書館で
まさか志望校が入れ替わる事になるとは思わなかったよ
俺頑張ったんだぜ
って笑って
彼は言った
その後こう付け加えた
これで少しは欺けるかもよと
その時少しヤンチャな顔で
彼が言うので
私はつられて笑顔になった
欺ける？
どういうこと？
進路を考える時
私は
Aという私立と
Bという公立を考えていた。
このB高校は
母の見栄をはるにも条件の良い高校で文句も無かったのだ
だけど、この進路を考えている頃には、彼が僅かだけど合格圏内ではなくて
無理せずに
一緒にC校に行ったほうが
その高校で成績維持したほうが後々いいはずと相談したりしていた。
でも、彼は母の事を知っていて
ランク落としてひといめに合うことを心配していた。
そこから彼はB校を受験出来るよう頑張ってくれていたのだ
本来ならめでたく二人で希望校のはず
だけど、何故か私はC校受験
あのときの彼の悲しそうな顔は
今でも思い出す
志望校は変えられてしまった
志望校ごとに分けられ
試験当日の説明を受ける際に
？？？
なんでお前そっちにいるの？って
彼が不思議そうな顔をしている
私は打ち明けることがその日まで出来なかった
本当に一緒の高校に行きたかったのに
説明会の間
私はうつむいて泣いていた
好きな人と同じ志望校を
第一志望として記入した紙を
母に見つかる
何か感づいた？
バス嫌いの娘がバス通学？
何かある？もしや？
そう思ったのだろう
翌日
書き換えられた紙を
渡される
なに？レベル変わらないんだから
近いほうがいいわよね
そういった目は笑っていない