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星野カレンダー2014の3月のページから「春を呼ぶシクラメン」という文昭さんの絵と「車椅子の母」という暁子さんの詩を紹介します。
車椅子の母
母の乗った
車椅子を 押して
ゆっくり ゆっくり
今日は ワンフロアだけの 散歩だよ
七夕の 紙飾りに
並んだ 願いの 数々
お母さんのも あるかしらね
読んで みようか
80歳の
口元が あやしくなった母は
「ここにいると 動物の顔になる」と
私に言った
自分は 黒猫で
暁子は 白猫だと 言いながら
笑う母
笑顔が いいね 母さん
ちょっとずつ 弱っていく母の
生命の 重みを
車椅子に 感じながら
ゆっくり ゆっくり
私は 車椅子を 押した
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