ジャクソン5として活動する前はジャクソンブラザーズという、長兄三人のバンドでした。
元々、父 ジョセフもバンド活動をしてましたが、泣かず飛ばずで、家族を養うため、音楽は諦めたという事情がありました。
ただ、家には当時のギターをしまっており、子供たちには、触ってはダメだとキツく言っていました。
とは言え、音楽好きな子供たちは隠れて、楽器を触っていました。そんなある日、ティト ジャクソンがギターを弾いていたところ、弦を切ってしまい、それを知らされたジョセフは大変怒りましたが、母 キャサリンが、この子はギターが上手いのよ!一度聞いてあげてと頼みます。
演奏を聞いた父親は「中々イイ演奏だ」とぶっきらぼうに伝え、後日ティトに新しいギターを買いました。そして、三人のバンド活動が始まりました。ティトはそのギターを生涯、大切にしていました。
その頃、まだ幼いマイケルは兄達の演奏を聞きながら、打楽器を叩いていたそうです。
マイケルの初めてのスタンディングオベーションは幼稚園の時。父兄のいる学芸会で、サウンドオブミュージックの「全ての山に登れ」をアカペラで歌うように先生から言われ披露した所、大評判になったそうです。
当時、父 ジョセフはマイケルは幼いので、バンドには参加させるつもりはありませんでしたが、キャサリンが「この子歌えるのよ。聞いてあげて」とお願いされたので、聞いたところ、「これはイケる」とマイケルをメンバーに加えました。
その頃のメインボーカルはジャーメインでしたが「マイケルは小さいからバンドが目立つから」とジャーメインを納得させ、メインボーカルはマイケルになりました。
そして、ジャクソン5として活動すべく、毎日、歌とダンスの厳しい練習が始まりました。こうしてマイケルの音楽活動が5歳から始まりました。
父 ジョセフの特訓には批判的な意見もありますが、この後、マイケルジャクソンが唯一無二のパフォーマーとなったのは彼の才能は勿論の事、少なからずこの頃のレッスンも影響していると、言えるでしょう。マイケル自身も子供の頃はジョセフを許せなかったが、後には感謝していると言ってます。
突出した才能のマイケルと抜群のセンスを持ち合わせたジャクソン5ですが、大ブレイクするまでには、ジョセフの卓越したマネジメントの元、数々のオーディションを勝ち抜き、それなりの年月を経たのですから、アメリカのエンタメ界はさすがに奥深いと思います。
子供の頃から練習と演奏に明け暮れたマイケルには普通の子供時代が無かったのも頷けます。
ステージでは老若男女を魅了するマイケルですが、ステージを離れると、シャイで大人しい男の子になるとこの頃から言われてました。
本人も「自分でも分からないけどステージにいる時が一番落ち着くんだ」と話してます。ステージでのキラキラした姿とオフの時のシャイな様子のギャップがたまらない魅力の一つです。