実相寺昭雄監督のお墓
2006年11月29日、胃がんのため逝去した実相寺昭雄監督。
『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』、『怪奇大作戦』を監督して名を上げ、その後、映画監督や文筆家として活躍しました。
そんな実相寺監督のお墓を訪れたので、紹介させて頂きます。
お墓の場所
実相寺昭雄監督のお墓は、巣鴨駅から徒歩数分のところにある染井霊園の1種(ロ)10号17側の区画にあります。
入り口を入って直進した後、右折して少し歩くと十字路が見えてきます。
その左斜め前が実相寺監督のお墓のある区画です。近くには、北海道の名付け親で有名な松浦武四郎のお墓もあります。
実相寺監督が眠るお墓は、「1種ロ10号16側」というプレートがある通路を少し進むと、左手に見えてきます。
実相寺昭雄監督のお墓
ウルトラマンやウルトラセブンの人形が置いてありました。
編集後記
ウルトラマンマックス第24話「狙われない街」の撮影時、胃がんに冒されていた実相寺監督。
西洋医学を信じず、漢方薬で直そうとしていたので病状は悪化の一途を辿っており、彼は死期が近いのを感じ、メトロン星人の台詞を通じてこの世に遺言を残しています。
「ご覧の通りの怪獣倉庫だ。随分ここには世話になった。潜伏させてもらったのさ」
「私はもうすぐ地球とおサラバする。迎えの宇宙船がやってくるんでね」
「地球の夕焼けは美しいなぁ。なにより日本の黄昏は。この陰翳礼讃が何よりの土産だな」
奇抜な演出を繰り返して上層部の怒りを買ってTBSで干されていましたが、円谷プロに出向して息を吹き返した実相寺監督。
彼の作品には、美しい夕日のシーンが多いのが特徴です。
そんな中、現代の日本で社会問題になっているバカッターや外食テロに対する予言めいた警告も残しています。
「人間は便利なツールを手に入れて、どんどん退化し始めたからさ。町中サルだらけ。放っておいても滅びるよ。新しい道具で、人間の脳は委縮し始めている」
“便利なものには、必ず不便になるものがつきまとう”ともいわれています。
実相寺監督の言葉通り、社会の乱れと無関係ではないともいえるので、スマホやSNSなどのツールとの付き合い方を今一度、考え直したほうがいいのかもしれません――。
【出典】「実相寺昭雄研究会」「桜道 『ウルトラマン』フジアキコからコーディネーターへ」