坂の上の雲
司馬遼太郎・著/全8巻
秋山好古・真之兄弟、正岡子規の三人の人生と、日清・日露戦争を通じて、近代国家の仲間入りをしようとした明治の日本を描く。
貧しい下級武士の家に生まれた好古と真之は、学費のかからない士官学校へ入学し、好古は草創期の日本騎兵を育て、真之は日本海軍における近代戦術の確立者としての道を歩んでいく。
東洋の小さな国に過ぎなかった日本が、西欧諸国に追いつこうと懸命に国づくりを行った姿から、多くのものが見えてくる――。
編集後記
去夏にNHKドラマの再放送を見たことをきっかけに小説を読み始めて、先日ようやく読み終えました。
日露戦争におけるロシアの敗戦と日本の苦戦の原因となった帝政ロシアと旧日本陸軍の古びきった体質が、現代の大企業病に通じるものがあって考えさせられました。
明治時代が幕末に比べて地味なのは、理想家ではなく実務家が主役の時代だったからなのかもしれません――。
【記事引用】「坂の上の雲のまち 松山」
【画像引用】「坂の上の雲・NHKスペシャルガイド(第2部)」