ハンプティ・ダンプティ

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ホーンの視覚

2011-05-02 21:04:25 | 芸術
2週間ぐらい前に森美術館で行われているフレンチ・ウィンドウ展に行って来ました。

面白いものから、「これはどうかなー?」ってものまでいろいろだったけど、
個人的にいろんな意味で印象に残ったのが「ホーンの視覚」。ローラン・グラッソの作品。

山道をひたすら進んでいく主観的映像作品で、
ときたまこうもりだか鳥だかの群れが、自分を追い抜くように画面を覆うように現れて去っていく。
それ以外はひたすら山道を進むだけの映像。

その何が気になったかって、無限ループの繋ぎ目が全然分からないこと!

途中急な方向転換をして画面上、映像が横に素早く動くのだけれど、そこでも編集の形跡は見えない。
こうもりだか鳥だかが画面をほとんど覆うところでも、編集の形跡は見えない。

一体どこでループしているんだ?!あああああってなった。

たぶん3、4パターンの山道を進んでいるのだけれど・・・。

もしかして本当に同じところを回っているだけなのかな?
だとしたら非常にがっかりだよ。

というより編集の粗を探して6周ぐらい見てしまった時間はなんだったの、てなる。

でもなんだか森の迷宮に迷い込んだみたいで、なんとなく引き込まれてしまう。
ときたま現れる何かの群衆が(個人的にはこうもりだと思ってるんだけど、隣のカップルは鳥っていっていた)なんとなく美女と野獣の森のシーンを連想させる。
まあこの山道の映像はすごく天気の良い日中に撮られているので、全然不安を煽るようなところはないけど。
美女と野獣のアレは怖いけどね。

ほんとうに印象は「気分良くハイキング♪」て感じの映像。
途中画面を覆う何かの群衆が現れても、映像が無限ループでも、怖い印象は全くない。

映像の中が夜だったら、それはただひたすら不気味なものになるし、
たぶん自分がこういうの撮るとしたら不気味に見せたがって暗いシーンを選ぶと思う。
あと暗い方が無限ループさせるところの編集でごまかしが効き易そうだし・・。

そういうのもひっくるめて、すごくレベルが高いなーって思った。

真っ昼間の明るいところで撮影した事で誤摩化しかけづらいにも関わらず全然編集点が分からない。完敗だ。

本当に回っていったとしても、最初と最後のつなぎ目が全然分かりません!

カメラワークが素晴らしいのか、編集が素晴らしいのか、両方なのか・・・、そりゃ両方素晴らしいんだろうけど・・・。


ローラン・グラッソ、「ホーンの視覚」
興味のある方、是非見て頂きたい。
そしてどこに映像の繋ぎ目があるのか、さっぱりな私めに教えて頂きたいです。



ちなみに同展示会にはリーダン・アフィフの「どくろ」という作品がありまして、
こちらとにかくものすごいです。
分かり易いです。
「ホーンの視覚」は自分が映像をやっているという色眼鏡がかかっていますが、こちらは純粋にものすごいです。
インタラクティブとして、個人的に実際に体感したものの中で一番面白いかも。

これは是非皆さんに体験してもらいたい。


森美術館のフレンチ・ウィンドウ展は8月までやっているので、自分もまた一回は行くかも。
「ホーンの視覚」も気になるし、「どくろ」をまた体験したい。
この他面白いもの、いくつかありました。
プリュノ・ペナドとかキャロル・ベンザケンとかフィリップ・ラメットとか・・・。個人的好みですが。


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