「おじいちゃんがアクセラに乗りたくて一周忌を待たずに持って行ったんだよ。僕はそう思ってたよ」
子どもに言われてハッとした。
お父さんもアクセラも、こんなに突然に逝ってしまうなんて・・・と思っていたけど、そうか、お父さんがアクセラに乗りたくてお彼岸に向こうの世界に連れて行っちゃったんだな、そうなんだな・・・。
そう思えば全てが胸にすとんと落ちてくる。
お父さんが大好きだった運転。お父さんが大好きだったアクセラ。ワタシが免許を取り上げてしまい、アクセラも取り上げてしまった。お父さんは何も言わずに従ってくれて、歩いたり、バスを利用したりして晩年を生きてくれたけど、本当は、本当はすごく運転したかったし、ずっと運転したかったんだよね・・・。
お彼岸にお墓にアクセラで行って、お父さんはワタシからアクセラを引き取ったんだね。
「これはお父さんが引き取るから、あなたは新しい車を自分で買いなさい。いつまでも、甘えていてはいけないよ」と。
今日はアクセラとのお別れの日。
恥ずかしいからディーラーでは泣かないように、泣かないように 本当に頑張った。車の中から必要なものを取り出し、片付け、担当の兄さんにアクセラを託しワタシはマツダを後にした。
こう書いていても涙が後から後から溢れてくる。
お疲れさまでした。向こうでお父さんと一緒に またたくさん走ってください。
もう、ぶつかることも、ドアが凹むこともきっとない。
自由に、どこまでも自由に走って行ってね。
ありがとう。
ありがとう。
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