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CDのレビューとかなんとか

In the Spirit of Things/Kansas

2015-06-13 23:08:01 | レビュー

<List>
1. Ghosts
2. One Big Sky
3. Inside of Me
4. One Man, One Heart
5. House on Fire
6. Once in a Lifetime
7. Stand Beside Me
8. I Counted on Love
9. The Preacher
10. Rainmaker
11. T.O. Witcher
12. Bells of Saint James
 
<Member>
・Steve Walsh(Vocal, Keyboard)
・Steve Morse(Guitar)
・Rich Williams(Guitar)
・Billy Greer(Bass)
・Phil Ehart(Drums)

1988年リリースの11th。Steve Morseが加入後の2作目。なので、Kansasのひとつの看板であったバイオリンがありません。以前の曲をライブではどのようにアレンジしていたんでしょうね?
 
前作"Power"ではハードロックのKansasを標榜していましたが、この作品では更なる音楽性の変化を遂げます。
それは非常におしゃれで、私はあまり使いたくない単語(日本でしか通用しないらしい?)ですが、AORというジャンルに入れても差し障りのないと考えている方が多いようです。
ですが、それは違うと思います。
 
当時のKansasはAOR風にしたら売れるのではないだろうか?と考えてこのような作品を作るようなバンドではないと思います。
絶えず音楽性を変化させていく姿勢は称賛されて然るべきです。
どの曲もとても練られた良い曲の集まりです。
そのパフォーマンスはさすが、たいしたものです。
おそらくAORと呼ばれているアーティストはシーケンサーばかり使ってミュージシャンシップが足りないのでしょうが、Kansasはライブパフォーマンスでも見事に再現していたでしょう。
Steve Morse脱退後はこのアルバムからライブのセットリストに加えられることは無くなったでしょうが。

それよりもSteve Morseが脱退した後の作品の方が問題がです。
次作"Freaks of Nature"では、バイオリン兼タッピング等モダンなテクニックを使うギターリストを加入させ、"Somewhere to Elsewhere"ではRobby Steinhardtを再加入させて"Point of Know Return"辺りのプログレKansasの再興を狙っている様に思えました。
さすがにSteve Walshの声も高い方がダメ。
 
この作品に唯一難癖をつけるとしたら、"Bells of Saint James" がどうも最後の曲として相応しいか疑問なところです。
曲順を変えて"Rainmaker"辺りで最後になるようにした方が良かったかも知れません。