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中隔視神経形成異常症/ドモルシア症候群(指定難病134)

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 中隔視神経形成異常症/ドモルシア(De Morsier)症候群は、透明中隔欠損と視神経低形成に、下垂体機能低下症を伴う先天異常である。脳と眼と下垂体の3症状を来す典型例は30%のみで、視覚障害、てんかん発作や脳性麻痺などを併発する難治性疾患である。

 【原因】
 一部の症例でHESX1、SOX2などの遺伝子変異が報告されているが多くは原因不明の孤発例で、若年出産や母胎の薬物、アルコール曝露による環境因子の影響が推測されている。多発奇形症候群の部分症状としてもみられるため、全前脳胞症や閉塞性水頭症、水無脳症、裂脳症、孔脳症の鑑別が必要である。

 【症状】
 視力障害や眼振で発症し、後から成長障害などの下垂体症状を認めることが多い。視神経低形成は片側性又は両側性で、75%~80%の症例に認められる。下垂体機能低下は44%~81%に認められ、視床下部性と考えられている。成長ホルモン(GH)分泌不全による低身長が最も多く認められ、次いで甲状腺刺激ホルモン(TSH)分泌不全、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌不全が認められる。ACTH分泌不全症併発例では発熱時に突然死の危険性がある。透明中隔欠損は28%~60%の症例に認められ、他に脳梁欠損、視交叉低形成など正中脳構造の異常を特徴とする。知能は正常から重度低下まで差がみられる。

 【治療法】
 小児眼科、小児内分泌科、小児神経科など複数の専門家による包括的な医療が必要である。視覚障害や知能障害に対する発達指導と援助が必要である。下垂体機能低下症にはホルモン補充療法が行われる。一部の症例では常染色体劣性又は優性遺伝形式で家族性に発症するため、遺伝相談も必要である。

<出典:難病情報センター>
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