抗体の構造とヒンジ領域のページを更新
- 抗体は、4本のポリペプチド鎖からなるY字型のユニットで、1つ以上のコピーとして存在しています。それぞれのY字には同一の重鎖が2本、同一の軽鎖が2本あります。重鎖と軽鎖という名称は、それぞれの相対的な分子量によって命名されたものです。
このY字型のユニットは、F(ab)「アーム」という抗原への結合に重要な、可変性で抗原特異的な2本の部位と、Fc「テイル」という免疫細胞のFc受容体に結合する、定常性の領域で構成されています。Fc「テイル」は、ほとんどの免疫化学手順において抗体を操作するときに有用な「ハンドル」として用いられます。抗体のF(ab)領域の数は、抗体のサブクラスと対応しており、抗体の結合価(抗原に結合可能な抗体の「アーム」の数)を決定しています。
重鎖のFab領域とFc領域はヒンジ部でつながっている。左右の重鎖はこのヒンジ部がジスルフィド結合している。さらに特異性を高めた抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体の直接定量も可能となっている。
<出典:Wikipedia> - ■ Fc領域 (fragment crystallizable region)
- Fc領域 (fragment crystallizable region) 抗体の一部分。L鎖と結合せずH鎖同士結合している部分(抗体のY字の棒の部分)。免疫細胞のFc受容体に結合する。Fc領域は他の免疫システムを呼び寄せるのに欠かせず、補体あるいはマクロファージやキラーT細胞といった攻撃能力の高い細胞は抗体のFc領域を認識し、抗体が捕らえた相手に作用する(CDC作用・ADCC作用と呼ぶ)。一方で、Fc領域を除いたH鎖とL鎖が結合している部分のフラグメントをFabと呼ぶ。