オリオン座流星群

2009年10月21日 13時02分17秒 | 日記
水曜日



晴天。早朝雲ひとつなし。
温度は12度肌寒し。
オリオン座流星群?流れ星は見なかったなー。

 

池田名誉会長の人物紀行『歴史の巨人』と語る(10/18/09)

ルネサンスの巨匠
レオナルド・ダ・ピンチ(下)

レオナルドは、地質学等の研究を通して、地球も一つの
生命体であると確信していた。肉は土、骨は山脈、血は
泉、海の干満は呼吸や脈拍などと、人間の生命と宇宙の活
動とを相応させていた。

「脈は江河に法とり骨は玉石に法とり皮肉は地土に法と
り」と説く仏法の知見とも、深く一致している。人間の内
なる小宇宙と、外なる大宇宙は不離一体なのだ。
ゆえにレオナルドは、尊き生命の蹂躙を許さなかった。
人間の生命を奪うことこそ兇悪この上ないことだ」
「まことに、生命を尊重しないものは生命に値いしない」
(『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記上』)

彼のノートに記された生命尊厳の叫びである。私は、全
同志の代表として、イタリア共和国から功労勲章を拝受し
た際にも、御礼の中で、この点に言及させでいただいた。



戦時中、レオナルドの名画をナチスの魔手から護り抜い
たフランスの美学者ルネ・ユイグ氏は、私との対談の中で
語っておられた。

『モナ・リザ』の微笑と仏陀の微笑のあいだに、ある
種の関係が認められる」
宇宙の真理を追究したレオナルドと、東洋の哲学との共
鳴は、今後、一段と解明されていくテーマであろう。

「モナ・リザ」については、フランスの文化の闘士ア
ンドレ・マルロー氏とも語り合ったことが懐かしい。
作家をはじめ多彩な活動で知られる氏は「現代のダ・ピ
ンチ」とも呼ばれた。「モナ・リサ」の日本出展にも多大
な尽力をしてくださった。

語らいでは、「死の超克」そして「永遠なるものへの接
近」という氏の芸術観の真髄も話題になった。
死を見つめ、永遠を見つめる。そこから、いかに生を充
実させていくか。その真の道を開いていこうとされたマル
ロー氏ならではの洞察だ。
氏とは、「モナ・リザ」の永遠の微笑を生んだルネサンス
の精神的豊かさ、さらにそれを絵画として結実したレオナ
ルド自身の永遠なる生命の輝きについても、論じ合った。



レオナルドは綴った。
「蓄財の主の名声は消えてしまう。徳の栄誉の方が、財
宝のそれよりもいかに偉大であろう。いかに多くの帝王や
皇子が、消え去ったことか。彼らの記録は今日に何も遺さ
れていない」 「一方金銭的には貧困の中に生き、しかし精
神的には豊かな人生を送った者が如何に多くいたことか」
(『レオナルド・ダ・ヴィンチ』)

いささか唐突かもしれないが、心豊かに友を励まし、生
老病死の苦悩を打開しゆく創価の母たちは、「永遠の常楽
我浄の微笑」を湛(たた)えていると、私は宣言したいのだ。



美の巨匠レオナルドは、若い女性にこう忠告している。

「君は気付かないのであろうか。青春の輝く美しさは、
凝りすきた装飾のために、かえってその素晴らしさを失っ
てしまうことに」
(高階秀爾監修、後藤淳一訳『レオナルド・ダ・ヴィンチ』創元社)
「若さ」に勝る美はない。その宝を一段と光り輝かせる
ものは、内なる生命の太陽である。そう、レオナルドは語
りかけているようだ。



「樹は高ければ高いほど風の通過によって撓(たわ)められる」と
レオナルドは達観している(『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上』)。
偉大な人生の常として、彼も嫉妬の誹謗に晒(さら)された。
だからこそ、正義は力を持ち、賢明であらねばならないと。



レオナルドのノートには、鍬(くわ)が地面を掘り起こす図が描かれ、
こう添えられている。
「よこしまな者どもを根こそぎにするために」(『パリ手稿H』)
―正義の闘魂が凝結した一言だ。

さらにノートには、槍を握っている手の図を描いて、
「不屈。始める人のことではなく、続ける人のこと」とも
綴られている(『パリ手稿H』)。



レオナルドは生涯、挑戦の人生を生き抜いた。
1973年の5月。私は欧州の青年だちと、レオナルド
が最晩年を過ごした「クルーの館」を訪問した。

亡くなった寝室には、銅板に彼の言葉が刻まれていた。
 「充実した生命は長い
  充実した日々は
  いい眠りを与える
  充実した生命は
  静寂な死を与える」
わが師匠の戸田先生も、死をよく睡眠に譬えられた。
―ぐっすり眠って起きれば、元気が戻る。妙法と共に
生きる生命は、ひとたび「方便現涅槃」の姿を示して、ま
た元気に新たな使命と福運の人生を始められるのだ、と



創大のダ・ピンチ像の設置を、多くの識者が喜ばれた。
レオナルドの手記の翻訳でも知られる杉浦明平先生からも
祝賀のメッセージを頂いた。
先生は語っておられた。
「レオナルドを学べば学ぶほど、人間の無限の可能性に
驚きました。『一人の人間がここまでできるのか』と」
そして、創価の青年に―
「自分で考え、自分ですべての責任を持っていただきた
い。レオナルドのように、万能の力を身につけていただき
たい。その可能性は、だれにもあるのです」と期待を寄せ
てくださったのである。

 逆風を飛翔の力

人聞が空を飛ぶことを夢見たレオナルドは、鳥の飛翔(ひしょう)を
鋭く観察し、記している。
「翼を開いて逆風をそれにとらえ、それによって高く上
昇する」 (『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 下』)
―逆風を飛翔の力に変える。これが、天高く舞いゆく生命の法則だ。



 今、創価大学では、学業をはじめ知性輝く成果を挙げた
秀才たちに創大ダ・ピンチ賞が贈られる。経済学検定試験
で日本一を勝ち取る学生なども続々、躍り出てきた。21世
紀の若きダ・ビンチたちの価値創造の活躍が、私は何より
も楽しみだ。
ダ・ピンチ像は、きょうも、微動だにせず、俊英たちに期
待の眼差しを注いでいる。
「わたしは世を裨益する=世のために尽くす)ことに疲れをしらぬ」
(『レオナルド・ダ・ビンチの手記 上』)
その魂の声が、私は聞こえてくるような気がする。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。