水曜日
小説「新・人間革命」
3月31日
通信教育部の開設から三十四年を経た今、創大通教生は日本国内だけでなく、世界に広がっている。夏期スクーリングには、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国、タイ、シンガポール、オーストラリア等々、世界各国から学友が集う。
また、夫婦や親子で通教に学ぶ人もいる。
既に、卒業生は、一万四千人を数え、実に多彩な人材が育っていった。公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士などとして社会に貢献している人も多い。
通教から創大の通学課程に転籍し、司法試験に合格。弁護士として活躍する人もいる。通信教育部の第一期生で、創大通教の教員として教壇に立つ人もいる。
臨床検査技師をしながら通教で学び、やがて、水俣病の研究に取り組み、鹿児島大学医学部で医学博士号を取得した人もいる。
突発性難聴、肝臓疾患などと闘い、通教を卒業。社会人枠で大阪大学大学院に入り、仕事を通して学んだ在庫と経営についての研究で、工学博士となった人もいる。そのほかにも、何人もの博士号取得者が出ている。
ペルー文学の父リカルド・パルマは叫ぶ。
「苦労なしに手に入れることのできるものなど、何もない。まして、忍耐なしには、何事も成就しない。ゆえに君よ、断じて、へこたれるな! 迷わずに書を読め! そして学ぶのだ!」
通教生がつかんだ栄冠は、自らの血と汗で勝ち取った人間王者の冠である。
創大通教は、まさに「民衆教育の大城」「生涯教育の光城」として、二十一世紀の大空に燦然とそびえ立ったのだ。創価の師弟の、勝利の光を放ちながら!
生涯を
尊き人生
飾らむと
学光王者に
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(この章終わり)
立正安国論
辛きことを蓼の葉に習い臭きことを溷厠に忘る
善言を聞いて悪言と思い謗者を指して聖人と謂い
正師を疑つて悪侶に擬す、
其の迷誠に深く其の罪浅からず、
事の起りを聞け委しく其の趣を談ぜん、
釈尊説法の内一代五時の間に先後を立てて権実を弁ず、
而るに曇鸞・道綽・善導既に
権に就いて実を忘れ先に依つて後を捨つ
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