マウスのきもち

マウスの気持ちを行動から考えてみるblog

余談-マウソックの大きな声で独り言 第4回

2021-01-28 00:05:52 | 日記

余談ーマウソックの大きな声で独り言をお読みいただき、誠にありがとうございます。

前回、「余談ーマウソックの大きな声で独り言 第3回」では、飼い主が声をかけて、手を振るとマウスが手を振り返すことから、考察を重ね、集団生活と模倣行動は何らかの相関関係があるのでは?とお話ししました。

今回、「余談ーマウソックの大きな声で独り言 第4回」では、その仮説の根拠となった研究を紹介させていただきます。


早稲田大学の研究
―隔離飼育されたマウスの「周囲に馴染まない」⾏動は、集団飼育されたマウスとの同居で改善―

■登場鼠物
 マウスA君
 マウスB君
 マウスCくん
 マウスDくん

■観察
 生後4週間で離乳した(巣立った)A君、B君、Cくん、Dくん
 A君 :一匹生活スタート!
 B君 :一匹生活スタート!
 Cくん:集団生活スタート!
 Dくん:集団生活スタート!

 そして・・・35週間後
 A君、B君、Cくん、Dくん、みんなで、集団生活スタート!

 A君 :集団生活になかなか慣れません・・・
 B君 :集団生活になかなか慣れません・・・
 Cくん:集団生活にすぐ慣れたよ!Dくん、くっつこ!!
 Dくん:集団生活にぼくも、すぐ慣れた!Cくん、くっつこ!!

 そんな2匹をみていたA君、B君・・・さらに数日後
 A君、B君、Cくん、Dくんみんなで仲良くくっついてマウス団子が完成。      


 図1 マウス団子・・暖・・
 (マウス団子:ハドリング(寄り添い行動))
 Topic(下記、参考資料を参照)より、赤い線がついているマウスが、
 このお話しに置き換えると、CくんとDくんに該当します。

■考察
 ―集団生活をするまわりのマウスを見て自然に真似をするようになる―
 このような実験から、周囲になじまない行動は、集団飼育されたマウスと
 の同居で改善すると結論付け、精神疾患の治療法開発研究への寄与に期待
 できるとしています。

マウソックの観察
マウソックは、この結論に、+αとして、環境が個々のマウスに合っているという前提条件も結果に大きく影響すると思っています。詳細は、以前記載した「マウスが鬱になっちゃった」をお読みください。

マウスが鬱になっちゃった
概要
ととくん、ここくん、ももくん、ぽぽくんは、マウス団子を頻繁に作っていました。そのうちにマウス団子が壊れることが頻繁にみられるようになりました。観察を続けると、ぽぽくんが執拗な攻撃に合っていることが分かりました。そして、ぽぽくんは、鬱様行動をとるようになってしまいました。

なぜ、寄り添い行動から鬱様行動を発するまでの攻撃行動になってしまうのか、また別の一例を下記します。

■ジュニア君とあーちゃんの場合
ジュニア君は、離乳して1か月程経過したのち、3〜4日ほどあーちゃん(ジュニア君の父親)と同居生活をしたことがあったのですが、マウス団子を作っても、すぐに鳴き声をどちらかがあげるほどの攻撃行動をお互いがしていました。
このころ、あーちゃんとジュニア君は劇的に生活環境が変化したため、不安があったのだと思います。実際、不安様行動として、1)あまり動かない 2)暗いところにいる時間がやたらに長いということが観察されました。 そして、しきりに鳴き声を上げていました。
4日目以降、2匹を単飼育にした結果、時間がかかりましたが、次第に不安様行動が減っていきました。

マウソックの考察
早稲田大学の研究と私のマウス飼育経験から、いかに環境から不安をとりのぞくか、それが、マウスの模倣行動につながるのではないかと思っています。

このように結論つけられる数値データは持ち合わせていませんが、不安様行動が確認される間は、縄張り意識もあってか、マウス団子を作らず、作ってもすぐに壊れ、周りを見て自分も同じような行動をとらないことを飼育観察から確認しています。

マウソックの記憶の中で
ににちゃん、ぽぽくんが私の手元を去って、今、しばらくの時間が過ぎたことに気が付きました。

一生懸命に手を振り返してくれたににちゃんぽぽくんは、
まぁ、ベスト!ってわけじゃないけど、この環境はまあまあかなぁと、
伝えてくれていたのではないか


マウソックの目にゆらゆらと涙があふれてきました。


それを、壊してしまったのは、飼い主でした。
ににちゃんは、おやつによるアレルギーによって、掻痒行動が止められず、
皮膚疾患を患い、全身に発症してしまいました。

ぽぽくんは、次第に体重が軽くなり、重さを感じられなくなりました。
死期が近いことを悟った飼い主は、闇のようなかなしみに耐えることができず、栄養ミルクを好きなだけあげてしまいました。
ぽぽくんは、体調をくずし、亡くなってしまいました。

今、手元にいるジュニア君は、手を振ることをしてくれていません。
手元にいてくれる時間は、限られています。
至らない飼い主は、手元に残った最後のマウス、ジュニア君の顔を見つめて、手を振り続けています。

―何をいっているの?どうして手をひらひらさせるの?-

時々、顔をかしげながら、ジュニア君の目は、今日もまっすぐに私をみていました。

参考資料
早稲田大学 Topic
https://www.waseda.jp/top/news/62583