今回、ご紹介する【 王の運命(さだめ)】は、今年のアカデミー賞で4冠を獲得した、
『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホが、王 英祖(ヨンジョ)役で、
『六龍が飛ぶ』等で お馴染みのユ・アインが思悼世子(サドセジャ)役で共演しています。
李氏朝鮮 第21代王英祖が、謀反の疑いで息子の世子を厳しく罰した米びつ事件を描く。
世子が亡くなるまでの8日間、生い立ちから現在に至るまでを振り返りながら、
父と子の確執を明らかにする。物語の9割が史実に基づいて作られている。
↓ 映画の概要は、こちらから引用させて頂きました。
いやぁ〜〜 重厚でした。
↓ チャプターの題字を見ただけでも、こちらの映画で描かれている、
親子間の悲哀が感じられます。
1)謀反の嫌疑 2)重すぎる期待 3)増しゆく不信感 4)忍耐の限界
5)孤独な王子 6)破滅への道 7)哀しき運命 8)思悼世子
思悼世子(=イ・ソン)は、日本でも人気の高かった韓流時代劇ドラマ『イ・サン』に
出てくる、サンのお父さん、英祖は お祖父さんにあたります
【 王の運命(さだめ)】の映画の中でも、幼少期のサンが出てくるのですが、
どの映画やドラマで観ても、サンは良い子ですねぇ。
そして、サンの気質は、お祖父さん(英祖)に似たのねぇ。
この映画を観る限り、思悼世子は、絵を描くことや武芸を好んだけれど、
決して、性根が曲がった人では無かったと思います。
英祖が王になった背景は、とても厳しく重いものだったから、
産まれた時から、王子の座が約束されているような、恵まれた環境の思悼世子とは、
人生(権力や政治)における経験値が、圧倒的に違ったのでしょう。
この映画を観ている時に、里中満智子さんが描いた歴史漫画『天上の虹』に出てくる
持統女帝と、その息子である草壁皇子の関係に似ているなぁ…と思ってしまいました。
どちらの王子も、産まれてくる時代や背景が違ったら、幸せになれたでしょうに。
権力というものは、対立と悲しみを生み出すものですね。
↑ 思悼世子(=イ・ソン)なりに、頑張っていたよ。
英祖が、そつなく学び、成長していく孫のサンに向かって…
「 あの父親から、生まれたとは思えぬ 」
「〝あの父にして、この息子″は、当てはまらぬな 」
と言う場面が出て来るのですが、この祖父と父にして、このサンが生まれたのだなぁ…と、
英祖の言葉に抗うように、思ってしまいました。
本当は 。。
親である英祖が一番、息子である思悼世子の個性を認めていて、
愛していたであろうに。
権力という立場に阻まれて、彼の好(よ)き部分を、素直に尊ぶことが出来なかった。
また親子として、一緒に生まれてくる時があったとしたら、
どうか思う存分、彼の魂を愛でてあげて欲しい。
そして 。。
共に、親子としての喜びを、余すことなく感じ合って欲しい。