advancement【blog-ver.2】

音楽と競馬(馬)と野球、時には動物や歌舞伎を愛するものが送る自由な日記。

源九郎狐が可愛いの。

2013年07月08日 18時06分05秒 | 歌舞伎
4日(木)、人生初の歌舞伎鑑賞をしてまいりました。母も一緒でした。

東京競馬場への分岐地点・東府中駅が最寄駅となる、府中の森芸術劇場がこの日の会場。小さい頃から何度か足を運んだ事のある会場なのですが、広い都立公園(府中の森公園)や美術館(府中市美術館)も隣接していて、とても素晴らしいスポットなのですよね。



今回、鑑賞したのは・・・


「松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め四代目市川猿之助襲名披露」

(公演パンフレット)


“歌舞伎座より会場が近い”という事もあったのですが、何よりも一番は“猿之助さんの襲名披露”という点。まとめてみると「やっと初めて歌舞伎が観れる!しかもそれが猿之助さんの襲名披露!!」という感じ。考えてみると、今回は本当に運が良かったなと思います。
チケットは3月の発売と同時に購入していました。



「毛抜」“襲名披露 口上”「義経千本桜 川連法眼館の場」

「毛抜」
この演目、推理が入るお話なのですよね。“髪の毛が逆立つ”という奇病にかかってしまい、結婚が遅れてしまっているお姫様。そのお相手が見事に奇病の原因を見抜く・・・というのが、このお話の簡単な流れ。
弾正(市川右近さん)が自分の髭を毛抜きで抜いているシーン。その姿に“道具も含めて、今も昔も変わらないのね・・・”と思いつつ、クスッと笑ってしまいました。弾正の結婚相手・錦の前(市川笑野さん)がまた美しかったです。最後にまさかの生首ちょっとだけビックリして会場に笑いが・・・。

“襲名披露 口上”
役者の皆様、揃ってのご挨拶。「毛抜」には出演されていなかった猿之助さんは、この日初めてのお目見えとなります。
真面目にご挨拶される方、ユーモアを交えながらご挨拶をされる方・・・と様々で、素敵な口上でした。

「義経千本桜 川連法眼館の場」
これは三大歌舞伎のうちの一つに含まれている、とても有名な演目ですね。“川連法眼館”は「義経千本桜」の中でも中心的な場面となります。訳あって佐藤忠信(源義経の家臣)に化けていた“狐”が出てくる、悲しくも最後は温かいお話。猿之助さんは佐藤忠信と源九郎狐の二役を演じられます。静御前(市川門之助さん)が鼓を叩くと、階段の中から忠信登場。忠信が下に消えたと思ったら、あっという間に真っ白な狐(源九郎)が登場。狐が去ったと思ったら再び忠信が登場。忠信がいなくなったと思ったら、舞台上からクルンと回って飛び降りて再び狐登場。もちろん、お話に沿って現れたり消えたりするわけなのですが、そのような見事な早替りだったり宙乗り(今回は観る事が出来ませんでした)だったり・・・とにかく“ケレン”と呼ばれる数々の仕掛けが満載なので、初心者でも十分楽しめる演目です。公演中の舞台裏の映像を見た事があるのですが、もう大変な事になっていましたね
源九郎狐が義経の敵を操り、おびき寄せて退治する場面。その中で敵たちが見せた“エグザイル風ダンス(ChooChooTRAINの)”は、良い意味で現実に戻された気分になりました(笑)今年のお正月、NHKで生中継された各地の歌舞伎公演。その中に「義経千本桜」(大阪松竹座での襲名披露)も含まれていたので録画していたのですが、ずっと見ないままでいました。今回の歌舞伎鑑賞が決まってからも、あえて見ませんでした。そして4日(木)の夜、初めて録画分を見てみたのですが、この時には“エグザイル風ダンス”はありませんでしたね(笑)ま、きっと今の猿之助さんが取り入れたものなのでしょう。
最後に言いたいのが・・・この源九郎狐、口調や仕草など全てが可愛らしい!!愛おしそうに初音の鼓(この鼓が物語の大きなポイント)に頬を擦り付ける姿なんて、もう何と言ったらいいのか・・・この源九郎狐がまた親孝行で母と話す度、「またあの狐が可愛いのっ」という言葉が必ず出るほどですこの演目は個人的にずーっと観たかった演目でしたし、何よりも“猿之助さんの源九郎狐”を観る事が出来て本当に幸せでした一日でも早くまた生で観たい演目(笑)もちろん、「義経千本桜」全体も観てみたいです。

まだ話したい事があるのですが、まとまらないので止めておきましょう



好きな役者さんはいても、歌舞伎自体に関してはまだまだ全くの初心者。今回、こうして歌舞伎を生で観る機会が巡ってきて、改めて日本の文化に触れる事の良さを実感する事が出来ました。また、“歌舞伎ってこういうものなのだなぁ・・・”と、ほんの少し知識が深まったようにも思えます。本当にほんの少しですけれどね(笑)
あぁ、ますます歌舞伎の事が知りたくなる!夢中になっちゃいましたよっ