記事引用
◎ 神経波治療器とツボ
昭和二十二年ころ、大阪大学医学部において、
『低周波治療の研究を行っているので協力してほしい』
との申し出によって出向することになった。
在来のドイツ医学の文献によれば、電気接点の断続による電気治療器が実施されていたが、真空管を使用したものは見当たらなかった。
そこで阪大においては、真空管を使用して直角脈波(矩形波)を造り、それを人体に通電する研究であった。
その研究に六、七年も協力している間に、神経の構造に興味を持ち、その研究を三重大学医学部と共に行うようになった。
そこで神経の中に含まれているコンデンサの性能のよさに驚き、発明に対する悟りを開くようになったものである。
永年の矩形波電流の治療実験を行っている内に、人間の神経内に発生する二相性活動電位波形(これを神経波と言う)(政木命名)を使用すれば、どのような効果がでるのだろうかと思い、ビメーク治療器を作り、国公立病院七か所で臨床実験を行ったところ、予想以上の成果があがった。
現在はこれがヘルスアップ(注意:現在は製造販売されていません)の商品名で販売されている。
この治療の原理は、人間の神経や脳に発生する二相性活動電位波形と同じ信号を、トランジスタ回路によって発生させ、それを人体に流入させるものであって、人体はその電気刺激によって血流やリンパ液の流量が多くなり、局部的には新陳代謝がよくなると共に、自律神経の指令によって、最も健康な状態を保持するように体調が整えられるものである。
ところが、このヘルスアップを使用する場所は、漢法医学においてツボと称されている点であって、人間の身体の各部にわたって存在している。
このツボを身体全体にわたって見付けることは、至難のわざであったものと思われる。
おそらく六感の鋭い人、または霊感によって見出されたものではないかと思われる。
神経と電気信号
『生あるもの必ず滅す』
のことわざ通り、生命あるものの終点には、必ず死が訪れてくる。
この法則は絶対に変えることはできない。
といっても、これが自分自身にふりかかってきたとき、そうだと簡単に割り切れるものではない。
その死とは、人間にとって何を意味するものだろうか?
私は神経の研究をしていた昭和三十年ごろに、死に関して、大きな疑問を持つ現象に出会った。
それは、動物の眼の神経を摘出して生理リンゲル液に浸しておき、適当な時期にそれを取り出して、神経電圧測定台にのせて、電気刺激の反応実験を行ったときのことである。
摘出した当日は、数ボルトのパルス電圧を加えると、当然のように体内にある時と同じ二相性活動電位が発生した。
その神経繊維を一年後、二年後、三年後に取り出して刺激を加えると、生きていたときと同じ神経電圧を発生するが、回数をあまり多くすると徐々に弱ってくる傾向があった。
リンゲル液の中に三年も四年も浸して、肉体から完全に隔離された神経繊維だけが、どのようにして生き延びてきたものだろうか。
リンゲル液から取り出すとき、ピンセットで強くはさむと、実験台に載せてからも興奮が続き、異常な神経電圧が発生し、測定不能となる。
摘出した神経繊維を液から取り出すときに、神経に刺激を与えないように、生きたものよりも大事に、細心の注意を払う必要がある。
肉体は、三年も五年も前に死亡し、影も形もないが、神経だけが生きて残っていることを考えると、ほんとの死期に不審を感じる。
また、死後一時間ぐらいの間に、低周波電流を筋肉に加えると、手も足も口も動くが、電気抵抗は生きていたときにくらべて、十分の一以下と非常に低くなり、電流は十倍以上も多く流れる。
生きているときであれば、火傷をおこすような大電流でも、生命のない肉体は火傷を起こすようなことはない。
人間を初め、生きているものは最高の構造となっており、電気的にも、自動的に拒絶反応が発生しているようである。
皮膚に、一ボルト以下の低い電圧を与えても反応は起こらないが、その電圧を二ボルト以上にすると、電流を流し込まれないように、電流の流入を阻止する現象がおきてくる。
その付近の電圧を閾値(いきち)と称されている。
プラス電圧をかけた場所には鎮痛作用があり、マイナス電圧の部位は興奮作用があること等を知ることになった。
そのようなことから神経波治療器、ヘルスアップの開発となったものである。
≪注釈≫
その後、政木先生がご発明なされ、ご晩年に情熱を注がれたものが
『 超強力神経波磁力線発生器 』
でありました。
これは、それまでの電気刺激方式ではなく、本体より繋がれたコイルより、瞬間的に1万ワット以上の超強力な二相性活動電位波形(神経波)の磁流波(交流磁気パルス波の磁力線)がトーラス状に発生するという仕組みであり、当時のヘルスアップが更に進化した性能を誇る機器としてこの世に存在していました。
超強力神経波磁力線発生器
(別名:Mリング、インパルス磁力線)
特許第3510016号
人間の神経は不思議なものであって、神経の中の構造は電気回路と同じように造られており、ビニール電線のように表面は絶縁物で覆われ、その中に電線のように電流のよく流れる部分とコンデンサが入っている。
このコンデンサは、エレクトロニクス技術がどんなに進んでも、人工的には造ることのできないような理想的なコンデンサである。
それは、力率が零で、いくら電流を流しても電力の損失のないことである。
私は神経の中に含まれているコンデンサの構造を知って、初めて、発明に対する悟りのようなものを感じることができた。
すなわち
『最もシンプルな構造のものが最高によいものである』
ことを知ったわけである。
現代の人間がどのようにがんばっても、自然の造形の神の力にはおよぶものではないということを知らされた一つである。
このように、現在の技術ではどうすることもできないような電気部品が、人体の内部に、無限に近いほどあることになる。
このような高級品の集合によって出来ている身体を、感謝をもって使わなくてはならない。
神経だけいくら長寿であっても、他の器官がこわれると人間には必ず死が訪れてくる。
しかし肉体は滅びても、生命体は体内から飛び出して、次の肉体に入ることになり、意識を持っているのは生命体であるから、自分はまた次の肉体で生きることになる。
自分の肉体の滅びる時が、自分の全部の終わりであれば、深刻な淋しさとなるだろうが、次の新しい肉体を持てる希望があれば
『死もまた楽し』
の気持ちとなれる。
来世の自分が持つ肉体のために今世は、おおいに修行をしておきましょう。
以上
超強力神経波磁力線
なっとくラボ