お金の失敗

こうお金が無くなってみると、なんとなく失敗の元を考えてしまいます。
それで思い出したのは初任給でした。

昔、塾の先生に、仕事について初めてもらうお金は
感謝の気持ちを込めて親に渡そう、みたいなことを言われていたので
わたしも渡そうと思いました。

……が。
これだけ苦労したものを全部渡すのかという葛藤もあり、
ひたすら悩んだところ、ふと、ひとつの考えにたどり着きました。

――お金なんか持ってても別にまともな使い道があるわけでもないし、
なら全部あげても何も困らないんじゃない？

というところで全部渡し、その後 家に5万入れることになり。
わたしの元に残るお金は月7万くらいになりました。

月7万くらいだと、週1.2万で1日2400円。
残業あって10時間くらい働くとすると、時給は300円くらい。

毎日暴言はかれて侮辱されて契約にもないことやらされて、
一時間で手に入るのはこどものおこづかい。
そんな仕事に疲れたからと、たとえば1万円の旅行にいったら、
1週間働いた分は全部無くなります。
それなら旅行に行かずにその間休んでいたほうが
よっぽど合理的ではないのか、というような気持ちにもなりました。


……そこのところの考え方が、人生で失敗したと思います。
あそこで、お金なんて別にいらないと思っていなければ。
初任給を渡す渡さないで葛藤しなければ。
わたしが未来に対してお金をためることをもっと重要に考えていれば。

となると、やっぱり出てくるのが、
わたしは長生きできないので未来に何かするのは無駄
という呪いです。

生き物にとって一番重要な生きることをあきらめてしまったら
それ以下のものなんて第一選択として、あきらめる以外にありません。
この呪いさえなければ、わたしの人生もましになっていた可能性が
あったんですかねえ。