丁寧な暮らし

人の暮らしを丁寧にさせるもの、それは『こだわり』です。
わたしも昔は、鼻をかむのは鼻かみでと思ったり、
本は新品じゃないと嫌だったり、
朝には朝ごはんを食べたり、
昼には昼ごはんを食べたり、
夜には夜ごはんを食べたり、
ご飯はごはん茶碗で食べたり、
お箸は自分のものを使ったり、
枕には毎夜タオルを敷いてつど交換したり、
春には冬のものをしまったり、
秋には春夏ものをしまったりと、
こだわったことをしていました。

でも、このコロナなりなんなりで、まともな収入のあてもなくなり、
未来もなくなってみると、
丁寧に生きるというのは無駄に手間とお金がかかるのだと
思うようになりました。
そして、わたしにはお金がありません。

すると、貧すれば鈍すというか。
大体のことがどうでもよくなりました。
食事は朝昼晩食べる必要もないし、
できるなら2回、できないなら1回適当に口にすればいいし、
枕カバーも毎日変える必要はないし、
食器もひとつ二つで食べるごとに軽く流せば洗い物も少なくていいし、
鼻をかむなども全部トイレットペーパーでいいし。

昔に比べたらずいぶん雑で、安上がりな生活になりました。


でも、どれだけ節約してみたところで、所詮無収入。
光熱費他の絶対に使われていくお金がまかなえず、
最後は首吊りか餓死か病死が見えているのがどうにもです。

一番先に使えなくなるのがネットで、
今の暇つぶしの最たるものがなくなるのは厳しいです。

大学生のころクレジットカードを作っておくと何かと便利と言われて
作ろうとしたものの、何かで手続き失敗して。
その後勤めてからクレジットカードを作ろうとしたら、
そのときの処理が途中で止まっているだかなんだかが原因で
クレジットカードは作れないと言われました。
もうクレジットカード支払い必須のものは
わたしには手が届かなくなってどうしようもできません。

とにかく裏目裏目の人生です。
よかれと思ってやることも、最終的にわたしが不幸になるように
配置されているのでなにもやる気がおきません。

これでやる気を出さないと、
『あのときやる気を出しておけば……』
と言われる人生になり、
そう思ってやる気を出すと、
『どうせこうなるのにやる気出してがんばっちゃって』
と笑われる人生になるのでしょう。

途中経過は選べても、最終到達地点はみじめな死なので
人生ほんとにもううんざりです。

せめて、金も入れないごくつぶしはもう死んでくれと言ってくれたら
あとくされもなく首吊って死ぬのですが、
いまだといつ死ねばいいのか、タイミングに悩みます。

手元にあったらやってしまいそうな感じがして
ロープは買っていませんでしたが、
暗い影がちらちら見えはじめてきたし、
怖さとつらさも耐え難くなってきたし、
そろそろ買っておいたほうがいいのかもしれません。

正直、わたしが死んだ後のもろもろを考えるより、
死んだらわかるかもしれない世界の秘密が見られる楽しみのほうが
大きくなってきました。

一番の問題は死に損なうことです。