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直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

レビュー:女神異聞録 デビルサバイバー

2009年04月01日 | レビュー系


DSのゲーム、デビルサバイバーです。
プレイ開始から、一気にやってしまいました。

東京都心に悪魔があふれたので自衛隊などが封鎖。
その中で7日以内に主役がなんとかしないと
閉じ込められた人たちは皆殺しにされるので
どうにかするゲームです。

雰囲気は、『すばらしきこのせかい』と
似た感じです。
 渋谷系、いまどき風、ヘッドホン、
 主人公が痛々しい
というタグがつきそうです。

ジャンルはタクティクスシミュレーションとでも
いうのでしょうか。一マスに一キャラを置いて、
いっぽいっぽ歩かせながらバトルをする形式です。
ふだんはアドベンチャー形式で話は進んでいきます。

最初はどうかと思いましたが、
慣れてくると結構おもしろくなってきます。
総評としては、おもしろい でいいと思います。

以下は詳細を見て行きます。

まず、マップをざっと見てから、
チームの組み換えができるのはいいと思います。
昔のゲームはミッション前に
絶対チームを組んでいなければならず、
ミッション開始して敵の情報を見て、
どういう動きをするのか確かめてからリセット
という手順を踏まなければいけないので
すごくめんどくさかったのです。

次にキャラ配置の手間はどうかと思います。
出撃するキャラは最大で4人(4チーム)。
出撃コマンドがでているので、
マップと敵を見て『出撃』を選ぶと、
『主人公が配置されていません』。
これを何度も繰り返しました。
主人公が配置されていないと出撃できないのなら、
主人公だけは最初からデフォルト位置に
配置しておいて欲しかったです。

また、出撃コマンドから4人を配置したあとも、
配置する人間がいないのに
出撃コマンドから抜けてはくれません。
ここもめんどくさいです。
それよりも、最初から4人ともデフォルト位置に
並んでいて、要らない人間はXで帰還、
要る人間は位置入れ替えでスタートのほうが
親切だったと思います。

それから、主役たちの使うスキル。
スキルはFF7のマテリアのような感じで、
一つのスキルには一つのマテリアしかありません。
分裂もしないのでゲーム中はかならず一個です。
よって、みんなが同じスキルを装備できないのも
ゲームバランスを調整するためと
考えられてそれはいいのですが……
問題なのは入手方法です。

まずはバトル開始前に空のマテリアを握り締め、
そのスキルを持っている敵に狙いをつけます。
そしてその敵を殺す瞬間に能力をマテリアに
封印することでスキルを入手していきます。
これをゲーム内ではクラックと呼びます。

でもこれ、最初のほうではできる敵も多いですが、
自分のスキルがたまってくると
同じスキルはもちろん入手できません。
なのに戦闘開始前コマンドには、
スキル入手用のコマンドがでっぱなしです。
それを選ぶと、『クラックできるスキルはありません』
といったようなメッセージがでてきます。
レベル上げのフリーバトルのたびに
もしかしたらなにかあるかとチェックして、
ないメッセージを見つづけさせられます。
これはすごく不愉快でした。
バトルフィールド構成時にチェックして、
入手できるスキルがあるときだけ、
そのコマンドが表示されて欲しかったと思います。

インターフェース周りでは、
会話ウィンドウなどが消せないのも
地味にマイナスだったと思いました。

その他としては、
まず、イラストが気になりました。
目の隈が濃いというのもそうですが、
女性は基本的に胸。キャラじゃなくて胸です。
あとエロス。
わたしの見た限りでは女性キャラはほぼ胸強調です。
強調されてない人は服を半脱ぎという始末でした。

基本的にキャラは狙いすぎててどうにもなあという感じ。
ペルソナ4をやったあとだからかもしれませんが、
ペルソナ4の狙って狙って、狙い済ました一撃!
というのとは違って、
狙いすぎて力が入ってしまい、
手元が狂った槍が観客席に飛んで来たような
微妙さでした。


ゲーム要素としては、普段のバトルは楽しめましたが
要所要所ですごくいらだちました。

ところどころ入ってくるミッションは、
基本的に救出系です。
『ばかな○○を助けろ!』です。
わたしはこれが大嫌いでした。

なにが嫌いかって、守らなければいけない相手が、
HP100しかないのに、99ダメージを受ける敵に
バトルをしかけることです。
一回、その保護する対象が攻撃をしてダメージを受けたら、
次に攻撃を仕掛けた相手のターンになったら、死にます。
もう一度保護対象のターンが来る前に救出、ではありません。
敵のターンが来る前に保護、なのです。

ほかのゲームでも救出系はありましたが、
敵に囲まれずまっすぐ進めばたどり着けるものです。
たとえば3ターンくらいは持ちます。
でもこれは、最初の行動を逃したら失敗。
場合によっては、行動順の関係から、
相手より先に動けるのは主役だけだったりします。
そのため、主役は移動力を増やす仲間、
場所を交換できる仲間でパーティーを埋め、
開始直後にダッシュしてから保護対象者と位置交換。
保護対象者の代わりに敵の目の前に出ていて、
仲間のパーティーは戦闘用でなく移動用のため
敵のターンで惨殺というような
ばかばかしい状況になったりするのです。

また、ノンプレイヤーに敵のボスを倒させろという
ミッションでは、敵のHPが300くらいあるのに、
ノンプレイヤーの攻撃は一回30ダメージ。
さらにはボスを逃がしてはだめなので、
仲間ユニットでボスを囲むのですが、
その間に雑魚敵とボスの攻撃を受け続け、
どんどんと仲間が死んでいきます。

基本的にミッションはそんなものばかり。
一手間違えれば即座にリセット、
一回大ダメージを受けたら中断セーブからやり直して
中ダメージ程度のところでセーブしなおし、
などというばかばかしい手順を
何度もくりかえさせられました。

あれはもう本当に、心から不愉快でした。

そして終盤になると、倒せないボスも出てくるので
レベル上げが必要になってきます。
でもバトルではもうスキルは入手できず、
ただ戦うのみです。
けれど、そこにも問題があります。
それは、レベル制限です。

はじめ、なんとか倒して
経験値5000くらい入手していた敵も、
しばらくすると500くらいになってきます。
自分のレベルが敵のレベルに近づくごとに、
どんどんと入手経験値が下がるのです。

でも、ですよ。
敵のレベルはそのステージではそれ以上あがりません。
なのに自分のレベルアップに必要な経験値は
1万2万はあたりまえです。

経験値500で2万を稼ぐためには、
何回バトルすればいいのでしょうか。
スキル入手というおかずもなく、
ただバトルをしつづけるのがどれだけ苦痛か、
わかるでしょうか。

さすがにわたしもめげて、
めんどくさいのでボス戦に行きました。
……けれど、そこでぶつかったのもまた、
『レベル制限』だったのです。

魔力最大の主役が放つ敵の弱点攻撃はダメージ1000。
同じく魔力最大の仲間が放つ弱点攻撃はダメージ350。

どう考えてもおかしいと、ブースターなどを
疑ってみましたが、そんなものついていません。
バグか魔法力減少でもさせられているのかと
散々悩んだ末にたどり着いたのが、レベル制限でした。

敵とレベルが離れすぎていると、
たとえ同じパラメータでも
ダメージが通らないシステムだったのです。

たとえばドラクエで、攻撃力100のLV99の戦士と、
攻撃力256のLV10の戦士がいたとしたら、
体力などは低いとしてもLV10戦士のほうが
大ダメージを与えられます。
でもデビルサバイバーではレベル制限により、
もしかすると攻撃力100のLV99戦士のほうが、
攻撃力256のLV10戦士よりも大きなダメージを
与えられるかもしれないのです。

パラメータってなにで、何の意味があるんだろうと
ふと思わさって、ゲームを投げたくなりました。
本来のパラメータの力を発揮するには、
敵と同じくらいのレベルまで
持っていかなくてはいけません。

でもレベルが近づくにつれ、入手経験値がさがるので
ひたすら戦いを『させられる』ことになります。
デビルサバイバーの戦闘は、
あとになればなるほど『させられる感』が強くなって
苦行にも似た思いをもつようになりました。

ちなみにわたしが今までで最高だと思っている
タクティクスシミュレーションは、
PS版ファイナルファンタジータクティクスです。
バランス、グラフィック、音楽、
ジョブにアビリティなど、どれも満足できるものでした。

デビルサバイバーはなんだか音楽が疲れました。
戦闘中の曲は流していたらなんだかすごくいらいらしたので
途中から音は消してプレイしました。

また、デビルサバイバーは、
種族によって特技が決まっているために
使える仲間モンスター、使えない仲間モンスターが
はっきり別れてしまうのがなによりの問題だったと思います。

救出系なら、移動力増加モンスターは必須です。
でも24体までしか仲間がいれられないので、
育てていないものを適当においておくというわけにもいかず、
そのときになって安いモンスターをしいれて
ミッションにあたるなど微妙な戦いを強いられました。


あとは、気になったのはストーリーです。
ペルソナ4のときは、ペルソナに神様や
妖精の名前がついている意味がわからなくて
微妙に思っていましたが、
これは本物の悪魔や妖精が出てきます。
それを仲間にするので、悪魔は悪魔で
なんの矛盾もなくてよかったです。

でも、話が進んでくると
なんだかやっちゃった感があふれてきます。
基本的に話は7日間の6日目が終わるところまで
一本道で、その間に主役が神のしもべとなって
世界を導くなど、現状を変えるための手段が
いくつか示されます。

わたしはそれがすべてまとめられ、
最善の一手が示されるように
話がまとまっていくんだろうと
思っていたのですが、違いました。
途中の伏線は、6日目の最後に
プレイヤーの選択によって選んだもの以外は
すべて放置されます。

「この封鎖を解くにはどうしたらいいんだ……」
「そうだ、退魔の歌だ!」
「期限までに歌を完成させちゃるけえ、まっとれやあ!」
そんな会話でやる気満々なところを見せますが、
最終日前の選択で、主役が悪魔を返すのではなく、
調伏することを選ぶと、
「ああ、やっぱりおれが一人で悪魔を従えるから、
そんな歌いらねっす」
みたいな感じに投げっぱなしになります。
どうにも無責任です。

一応、ラストは6ルートくらいあるようですが、
こんなもののためにめんどくさいミッションを
やり直す気にはなれませんでした。
セーブも、セーブ場所が一つしかないために、
ルート選択してからセーブしてレベル上げもしてしまい、
ラストだけをみなおすように
ロードするということもできませんでした。

たとえば、途中の手順を踏んで
イベントを見ていると、ラスボスのHPがさがるとか、
ラスボスマップでの敵が減るとか、
そういう違いで済ませておいて欲しかったと
個人的には思います。

ちなみに、はっきりとネタバレですが、
最後は主役は悪魔を追い返したり
悪魔の王となって神を殺したり、
悪魔の王となりながら神のしもべとなったり
無視して封鎖から逃げようとして皆殺しになったりできます。
それぞれで、2周目で作れるようになるモンスターが
増えるので、コンプリートしたい場合は
それぞれのルートを選ぶ必要があります。

わたしが選んだのは悪魔の王となって
神のしもべとなるルート。
そこでは持国天をぶちころすとか、
のこりの四天王も殺しつくすとか、
嫌なイベントが待っています。
ゲームとは言え、現実世界とリンクする場所で
神仏を手にかけるのはたまりませんでした。

そしてクリアしたと思えば、
『主役は神のしもべとなり、
 すべての欺瞞や虚偽を許さず、
 人々は公平に暮らすことになりました』
というようなテロップが流れて終わります。
……それって、どういうことなのでしょうか?

いまこういう生活をしているわたしたちが、
中学生の男の子一人に象徴される正義の元に
虚偽もなく暮らすとはどういうものか想像できますか?

わたしはそれが一切想像できず、
その世界はどういうものなのだろうと
突き放された気分でエンディングを見ていました。
正直、なにも納得ができませんでした。
あまりに壮大にしたわりには、
ラストは単なる絵空ごとです。
説得力がなにもありません。
せっかく途中までどうなるか、どうするかと
はらはらしながらきたのに、
最後で空気投げというか、空気にされたというか……。

『なんでもなさそうな男の子が
神にも魔王にもなっちゃった。
でもその後の世界なんて想像もできないし、書かないよ。
なるまでの雰囲気だけかっこよくしとけばいいよね?』
みたいな中学二年生的まとめの気がします。

それならペルソナ4のように、
すこし世界にはかかわっているけれど、
田舎の小さな街で、小さな街をすくったことは
街の人すらしりません。知っているのは主役と仲間だけ、
といったような、『ちいさなだいぼうけん』のほうが
よほど鮮やかでさっぱりしていると思いました。


最後に:
たとえばフィギュアスケートは、スケーターの動きを
見るもの、評価するものであって、
そこでスケーターの服のセンスやスケーターの
顔について議論するのは的外れでしょう。

ゲームとは、基本的にA&R、アクション&レスポンス
(プレイヤーの働きかけに対する、ゲームの反応)を
楽しむものです。
このゲームの基本線は敵と戦い、敵に勝つゲームです。
その点、タクティクスシミュレーションとしては
できはよく、楽しめたことを改めて述べておきます。
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