直列☆ちょこれいつ

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絵の具と鉱物

2013年04月27日 | ちょこのひとかけ


BBC地球伝説の、地中海6つの旅:色と芸術
という番組を見ました。
シリーズ物の4番目くらいです。
番組では絵の具の歴史のようなものを話していましたが、
これがなかなかおもしろかったです。

むかしむかしの最初の人は、
絵を描くのに色のついた土を使っていたものの、
よりリアルに絵を描きたくなり、作ったのが青色。
その後錬金術をやっていたら副産物でできたのが朱色だとか。

そのあとは新しく発見した鉱物などを使っていたものの、
毒性があるものも多く、その色が塗られたものを
身近に置いておいたことによる健康被害もあったそう。

それが変わるのが産業革命のころだそうです。

昔見た番組で、産業革命のころは絵画の革命も起きたと
言っていたのを記憶しています。
それは、そのころチューブ絵の具が発明されたからです。

それまでは鉱物を粉にして、
水や油と混ぜて自分で作って塗っていたのが、
買いさえすれば常に同じ色が出て、
しかも持ち運びできて外でも手軽にかける絵の具というのは
画家にとって大発明です。

でも今回は、その裏事情のようなものを話していました。
鉱物を砕いて、限られた色しかなかったような絵の具が
その種類を増やしたのは、産業革命による
素材の開発が元だったそうです。

錬金術の副産物として朱を見つけたように、
産業革命の錬金術でいろいろな素材を研究したことで、
副産物としていろいろな色を見つけたのだとか。

のちに印象派と呼ばれる技法などがあらわれたのも
そういう絵の具や絵の具に伴う描く環境の変化が大きかったようです。

そういえば、印象派というのは、写真を写すような写実的なものでなく、
自分が印象に残った風景などを、
自分の印象に基づいて、実際にはない色などで描いたから
印象派と呼ばれるようになったらしいです。

そう考えると、現代の漫画絵も、
人間の目が印象に残っているから眼を大きくとか、
あごが印象に残っているからあごを手が切れそうなほど鋭くとか、
髪が印象的だからもっさり盛るとかがありますし、
そう考えると印象派的技法と言ってしまっても
いいのかもしれないなあと、見ながらふと思いました。

それはさておき、絵の具のつづき。
出てきたのは元素の周期表です。
産業革命のあと、周期表を作ろうとした科学者がいて、
のちにそれを見た人が、色が出る元素は中央に固まっていることに
気づいたのだそうです。

そこから色の出る仕組みなどに考え至り、
今の科学では、絵の具の元になる材料から、
どんな色が作れそうかまでわかり、
思うような色を作ることができるまでになったとのことです。
絵の具業界と周期表は切っても切れない関係なのだとか。


番組では、どうして産業革命以前の絵の具には毒性があり、
どうして産業革命後の絵の具にはその毒性をなくせたのかの
説明がなかったのが残念でしたが、
それ以外はおおむねよかったです。

今まで知っていたものに別の方向からの見方が与えられるのは、
変なところが刺激されるような、新しい驚きとおもしろさがあります。

こういう番組ばかりなら、テレビも面白く見られるのに。
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