現在、竹取物語の訳はとてもいいかげんです。
いいかげんな訳に基づいているので、全体の内容も、
キャラの解釈も、全部がめちゃくちゃになってしまっています。
たとえば、現在ではかぐや姫は、
求婚者を追い払うために無理難題を吹っかけて
最終的には人死にまで出した悪女、というような解釈になっていますが、
それは完全に間違いです。
なぜ間違いと言えるかといえば、解釈の根拠が間違っているからです。
正しい解釈のしかたで、正しい解釈をすれば、
竹取物語はまったく違った姿になり、
かぐや姫もまったく違った人物になります。
そういう解釈をひたすらこつこつ重ねていたのが、
竹取物語におけるわたしの研究です。
現在の解釈がおかしいということの例を、ちょっと示しましょう。
竹取物語で誤った解釈がとても多い五箇所のうちのひとつ
『かまど』を含む文です。
その時一つのたからなりけるうちたくみ六人を召し取りて
たはやすく人より来まじき家をつくりて『かまど』を三重にしこめて
たくみを入れ給ひつつ御子も同所にこもり給ひて
さて、この『かまど』、どう訳しますか?
古文だけなら高校生でも読めるレベルですので、
ちょっとまじめに考えてみてください。
訳ができたのなら、問いましょう。
『かまど』のその訳、そう訳した根拠はなんです? 文のどこです?
……と訊いて、まともに答えられる人は、おそらくほぼいないでしょう。
『かまど』って書いてあるから、『煮炊きをするかまど』を表している!
というのは、根拠でもなんでもありません。
たいていの人は、解釈の根拠の持ち方を知らないのです。
知っていれば、この箇所を『煮炊きをするかまど』と
解釈することもそもそもありませんから。
ではなにか、と言えば。
詳しくはこちら。(下の画像クリックで開きます)
◆◆画像19-08-08◆◆
竹取物語『かまど』の新しい訳と、どうしてそう訳せるか、
既存訳のどこがどう間違っているかを解説した電子本を作ってみました。
Kindle形式に変換するのにものすごく苦労して
ごちゃごちゃやったため、ひどいミスがありそうで不安は残っていますが、
一応通ったので大丈夫……のはず。
『かまど』の正体を知りたいかた、
竹取物語に興味があるかた、
古文の解読というものに興味があるかた におすすめです。
古文や古文書を解読する基礎のまんが、
『魚は文におよぐ』の1~6話も入っています。
『かまど』の正しい意味がわかると、
竹取物語の解読でもっとも難しい、
『十六そをかみにくとをあけて』の箇所が解読できるようになります。
この『十六そをかみにくとをあけて』の解釈、解読は
竹取物語という古文でもっともおもしろいところで、
わたしがずっと語りたいところです。
わたしの一連の竹取物語研究は、変な場所で小出しにするのではなく、
まとめて一度に出したほうがいいと恩師に言われたので
学術的に発表できる場をずっと探していたのですが。
このままでは何一つ出せないまま終わりそうだし、
誰も興味がないと思っていたのに興味があると言う人もいたし、
ということで、ここですこし出してみます。
もし読んで、わたしの理論や解釈が狂っていると思ったなら
ぜひ教えてください。