古文書解読の腕試し問題、前回の続きです。
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文:(竹取物語より)
かねてことみな仰せたりければ、
その時ひとつの宝なりけるうちたくみ六人を召し取りて、
たはやすく人より来まじき家を作りて、
かまどを三重にしこめて、
たくみを入れ給ひつつ、御子も同所にこもり給ひて、
しらせ給ひたる限り十六そをかみにくとをあけて
玉の枝を作り給ふ
問い:
十六そをかみにくとをあけて
の意味はなにか?
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という問いにおいて、まっさきに考えなくてはいけなかったのは、
動作主体の変更があるかないか、という部分です。
なぜなら、どこかで動作の変更があれば、
解釈が全部ひっくりかえってしまうからです。
というところで意味がわかる人ならそのまま解釈を続ければ
答えにいきつくかもしれません。
よくわからなくて、答えだけ知りたいというかたはこれを。
◆◆画像20-02-14a◆◆
『十六そをかみに~』の解読
話の焦点が違うので、『十六そをかみにくとをあけて』の
解説は二つにわけています。
↑の02巻は全体の意味と、前半部の確定。
残りはどう考えているのか、というのが
↓の03巻。
さらに古い神道知識などを使った解説と推定です。
◆◆画像20-02-14b◆◆
それより後の考察
この『十六そをかみにくとをあけて』の箇所は、
竹取物語一の難読箇所とも言われ、
竹取物語約1000年の謎のようなものになっていました。
でも、よく読みこんでみたら解読はできたので、
解読結果と解読法を論文にして発表できたら
それなりに評価がもらえるのではないかと思い、
安くもないお金を払って学会に加わり、
規定のページ数や書式のお約束などと短くない時間格闘し、
どうにか載らないものかとがんばってみましたが、
結局どうにもなりませんでした。
論文の書き方がおかしくて落ちたのか、
それとも論理がおかしくて落ちたのか、
結論が間違ってると判断されて落ちたのか、
自分が関わっているものだけにわたしにはよくわかりません。
結論や論理に納得できるか、
あるいは納得できないか、おかしいところはあるのか、
読んで思うところあれば教えてください。
なぜ無料で出さないのかと言えば、
研究してまとめるのにも長い時間とお金がかかり、
学会に入るのにもお金がかかり、
論文を書いて投稿するのにも結構な時間とお金がかかったからです。
偉い人はいい地位にいて、いいお金をもらいながら、
文法も正しく使えない間違った解釈を適当にまとめるだけで
論文誌に載ったり本にしたりできるのに、
病院にもかかれないような生活のわたしが、
なんで無料でその間違いを指摘して
正しい解釈を教えてあげなければいけないのかと思うと
ばかばかしくて悔しいので無料にはしません。
ほぼ誰にも認められることはない人生でしたが
自分くらいは自分の人生にも研究にも価値があったと信じたいです。