ニンテンドー3DS用のゲーム、
『PROJECT X ZONE(プロジェクト クロスゾーン)』をクリアしました。
ジャンルは四角マスタイプの戦略モノです。
クリアまでの時間は73時間。
ひとこと感想は、『おもしろい感じ』です。
以下につらつらと感想などを。
このゲームは、数種類のゲームのキャラクターが
時空を超えて同じ場所に集まってしまう、という設定です。
プロ野球のオールスターや、
ゲームではスーパーロボット大戦のような概念です。
それでおもしろくなるかと思いきや、
シナリオが圧倒的につまらないです。
わたしはゲームとは、プレイヤーのアクションに対する
ゲームのレスポンスを楽しむものだと思っているので、
シナリオはあってもなくてもいいと考えていました。
でも、これはその考えをくつがえしました。
このゲームでのシナリオは、
異次元に飛ばされる→バトル→面のボスが逃げる→異次元に飛ばされる
の繰り返しです。
たとえばほかの小部隊戦闘ゲームであれば、
工場を破壊する、敵部隊を奇襲する、敵の補給部隊を襲う、
敵に襲撃される、逃げて合流点までたどり着く
などの、それぞれの場所でのシナリオがあります。
ミッションクリア用件もそれにかかわってきたりもします。
でもこのゲームはそれが一切ありません。
敵を倒したらボスが逃げ、また別のマップに飛ばされるんだろうと思うと
やっていてまったく気分がもりあがりませんでした。
会話もぼちぼち入ってきますが、会話によって新事実が
明らかになるということもありません。
基本的には会話を飛ばしてしまっても問題はないくらいです。
ただ、数箇所くすっとする場所はありました。
カメラマンが写真を撮るシーンでの効果などと、
鎧の騎士が爆弾の爆発に巻き込まれるところ、
あとは空中で放り出された仲間が
滞空時間の長い動作を使って助かるところです。
ああいった、ゲームの設定をうまくパロディにしたところは
おもしろかったのでもっと生かしてくれていればと思いました。
ほかに悪いところは、戦闘のワンパターンさ。
敵をある程度まで倒すか一定の場所まで歩くと、ほぼ必ず増援が来ます。
足の速い仲間一人で宝箱をとりにいかせると、
その場所がスイッチになっていて敵が出現し、
取りに行った仲間だけ死ぬ、ということもありました。
そのため、かならず増援に警戒して行動しなければいけないというのも
めんどうでした。
仲間の行動に使用するゲージ、敵の行動に使用するゲージが
仲間同士、敵同士は共通だというのが長い間気づきませんでした。
仲間は必殺技で敵を倒すと経験値に20%がつくので
とどめは必殺技にしたほうがお得です。
そのため、行動は、
・なるべくゲージを稼ぐ行動で敵のHPを減らす→必殺技でとどめ。
もしくは
・なるべくゲージを稼ぐ→技を使える仲間にまわす。
というものを意識すると、攻略はしやすくなりました。
ボスは常に攻撃をノーダメージにするバリアーをはりますが、
あれはバリアー破壊の特性を持つか、
バリアー破壊のアクセサリをつけているかした仲間をそばに置き、
最初に追撃で攻撃させるとバリアーを一発で破壊できるので、
そこにメインパーティーが攻撃をするようにすると
ダメージが大きくなるようになりました。
仲間の支援行動にも、その仲間の特性やアイテム効果が乗るなら
書いておいて欲しかったです。
続いて悪い点は、ゲームテンポの悪さです。
多少格闘ゲームの要素が入っていて、自分たちの攻撃のときは
敵への攻撃がアクションになります。
敵をいったん空中に浮かし、地面に落ちる直前で攻撃すると
クリティカルになってダメージが増加しますが
仲間と一緒に攻撃して、変な場所で空中停止状態になっているときに
攻撃すると技があたらなくなります。
その結果はダメージがた落ちです。
戦略ゲームで個々のバトルモードがアクション格闘になるというのは、
ダメージの計算上でもプレイテンポ上でも、微妙な気がしました。
ただ、失敗した場合のリセットとロードは
中断セーブしておけば、リセットはLRとスタート同時押し。
そのままスタートを押し続ければ、
中断セーブした場所からそのままはじまります。
こんな速さのリセット&ロードは今までのゲームになく、
ものすごい速さで行うことができたので、とてもよかったです。
さらに続いて悪い点を適当にあげると、
攻撃したらユニットの行動がそれで終わりになるのはいやでした。
順番を変えても、攻撃と移動は一回ずつしたかったです。
アイテムは敵を倒すと落としますが
入手方法は敵を倒すのみ。
敵を倒したらお金なり何なりを入手して、
ショップかどこかで買えるようにして欲しかったです。
レベルが低く敵が強いうちだと、
技ゲージがあがりにくく回復もできず、仲間が死んでいきます。
アイテムさえあればどうにかなる場合も多いので
どうにかしてほしかったです。
フリーバトルがないのも残念です。
アイテムが少なくなったり、経験値を稼ぎたくなったら
フリーバトルで戦えるというようにさえなっていれば
ゲームの印象もだいぶ変わったような気がします。
仲間と攻撃しない限り、自分の技ゲージは100までしか増えません。
でも敵は150まで増え、こちらのターンなのに
攻撃に対する反撃としてゲージを100使う必殺技を出してくるのが
とても不愉快でした。
こちらのレベルが上がっても、敵も同じかそれ以上あがっているので
基本的には戦闘は同じ調子でつらいです。
楽になるということがありません。
敵には飛行ユニットがいるのに、仲間には飛行タイプが
一人もいないというのもバランスを壊していると思います。
飛行遠距離攻撃の敵に遠距離からからまれたら、
こちらはただダメージを受けるだけしかできないからです。
装備やおまけキャラをつけての、キャラの強さにそれほど差がないのも
おもしろさを下げていた気がします。
キャラごとの個性ほとんど出ませんでした。
マップは、段差がありすぎるマップが多かったので
意外ときつかったです。
どこがどこにつながっていて、どうやってのぼるのかもわかりにくかった上、
カメラ視点がそれほど動かせないのに
オブジェクトの後ろに行くと見えなくなるのも厄介でした。
ユーザーインターフェースはかなり使いにくかったです。
味方のペアにつけるおまけキャラ選択画面も、
つけるとどうなるかがわかりにくく、
つけかえるときはどこがどうかわるのかもわかりません。
アイテムも同じで、今装備しているアイテムから
別のに変更するとステータスはどう変動するのかを
もっとわかりやすく出して欲しかったです。
ステータス表示も、技ゲージの増加率が書いていないのが不便でした。
このゲームは自分の技ゲージをいかに増やすかが重要なので、
敵のバリアはなるべく技ゲージの増えが少ない技で割り、
その後に技ゲージが増えやすい攻撃をしたいと思うのですが、
書いていないとわかりません。
自分やおまけキャラの技発動条件も書いていないのは微妙でした。
持っているスキルの中には『自動』というものがあり、
常に発動してくれるのかと思いきや、
そのキャラのターンがきたときに20%の確率で発動するなど
確率自動発動だったというのはしばらく気づきませんでした。
発動に条件があるなら、しっかり書いていて欲しかったです。
というところで、このゲームは筋が単調で、
敵は常に強く、キャラに特徴があまりなく、
戦闘はタイミングのアクションを求められ、
ステータスの見方や装備でのステータス変化が見づらいという、
あまり楽しんでプレイはできないゲームでした。
全体としてはつまらなくはなく、
どちらかといえばおもしろい感じでした。