
最初に金閣寺に行った。まだ青空がのぞいている。それほど混んでいなくて、金閣と池をバックにいい写真を撮ってあげることができた。やはり青空でないと。フレンドリーな奥様のスーザンさんは徳島から来た中学生たちと会話を楽しまれた。

陸舟の松。帆かけ船のようにも見える。船は西の方に向かっているので、この船に乗ると西方浄土に行けますよ、とワンパターンな案内をいつもしている。木の立て札には、義満公の盆栽を移したもので、樹齢600年と書かれている。嘘ばっかり。盆栽がこんなに大きく育つものか。本当は江戸時代に植えられたものらしい。金閣寺が発行している小冊子には、義満公の盆栽のことは出てこないし、金閣の第三層に仏舎利が保管されているなどとは書かれていない。

白い雲が広がってきた。ツアーの最後にクライブさんにどこが良かったかを尋ねたら、金閣寺と答えられた。一番に行ってよかった。お二人は私より、2歳年上だった。龍門の滝では一緒に”Puff”を歌い、あの歌に出てくるドラゴンは少年と友達になる優しい龍だったわね、などと話した。ポール・マッカートニーも金閣に入れてもらった話をしたら、クライブさん、ポールはもう歌をやめるべきだとおっしゃった。もう、声が出てないのだから、と。クライブさんはビートルズファン。

雨が降らないうちに、たくさん回りたいが、じっくり見て、いろんなことを質問されるゲストだった。せっかく日本まで来られたのだから、お二人が満足されることが一番大事。金閣寺の後は、伏見稲荷大社に行った。熊鷹社まで足を伸ばすと『こだまヶ池』だけではなく、竹藪もある。立派な竹が育っていた。


普段、昼食はあまり摂られないそうだ。コロナ前に案内したイギリス人も昼食はクッキーくらいしか食べない方が多かった。お二人で巻き寿司をシェアされた。食べる前に、お箸の持ち方の特訓をした。しょうが、美味しいわー、とスーザンさん。

このあと、三十三間堂に行ったが、一枚も写真を撮れず。時間の記録のために、画面を見ずに写すようにしているが、三十三間堂では、それすらできなかった。到着すると大型バスが4台、停まっていた。お堂の中では、大きな声を出せないので、お庭で絵コンテなどをお見せしながら説明した。中に入ると小学生がいっぱい。前に進めない。秒速10センチくらいだった。その代わりゆっくりと1000体の観音様のお顔を一つ一つ丁寧に見ることができた。お顔の表情がそれぞれ違うから、お気に入りの観音様を見つけてね、と言いながら、いつもはさっと通り過ぎていたが、今日はじっくり見て違いがよくわかった。私の勉強になった。でも時間がかかり過ぎてしんどくなった。お二人は、できるだけ多くのものを時間をかけて見たい方たちだったので、喜んでいただけた。今日はお堂の真ん中に段が置かれていた。段に登ると下から10段並んでいる観音様の真ん中あたりと同じ高さになる。よくお顔が見えた。
三十三間堂を出ると、パラパラ雨が降ってきた。ゲストは防水のパーカーを用意されていた。バスも来ないので、タクシーで三年坂まで行った。お二人の趣味はランニングとヨガ。清水の坂も石段も、ものともしない。これは本堂の中から景色を写した写真。雨は降っている。

本堂の中にある大きなおりんの前には行列ができていたが、並ばれて体験された。私はビデオ係。

思ったよりいい写真が撮れた。このあと、ぐるっと10分くらいかけて緩やかな道を降りるのがいいか、近道がいいか尋ねたら、10分の方を選ばれた。歩くのがお好きなゲストだった。

こんな景色も見ることができた。

音羽の滝の長い行列にはさすがに並ばずに、ショッピングストリートをどんどん降りて行った。八ツ橋、七味、抹茶クッキーなどを試食され、八坂神社を通り抜け祇園に到着した。時間はかなりオーバーしていたが、ホテルまでお送りした。

スーザンさんがお話し好きで、クライブさんが冗談好き。先日のイギリス人夫妻もこのパターンだった。明日、お二人が行くつもりの嵐山の地図を私が書いている間に、スーザンさんがこれを書いてくださった。ありがとう。楽しい思い出がまたひとつ増えた💕
