なるはや研究所

弊社なるはやライフサポートの業務(便利屋)と農業と日常を綴る。
なるはや的な思考と行動を研究~ほぼ月刊~更新日は中旬?

徳島県西部観光案内2、西祖谷山村。

2020-08-24 | 地元→徳島県西部観光+景色
47都道府県内でも観光旅行はできる。
今の御時世で都道府県を跨いだ移動は、
冠婚葬祭以外には、すべきではないだろう。

でも地元の都道府県内でなら、
一泊旅行、日帰り旅行、楽しみ方は人それぞれ。

今回は、祖谷のかずら橋で有名な、
徳島県三好市西祖谷山村の観光案内。


まずは腹ごしらえに祖谷の名物、祖谷蕎麦。


祖谷蕎麦を出す店はいくつもあるけれど、
今回は道の駅にしいやをチョイス。


本当は温かい祖谷蕎麦が好きなんだけれど、


とんでもなく暑い日だったので、
冷たい祖谷そば(冷やしぶっかけ)を注文した。


笑顔の素敵なお姉さんと、
爽やかなお兄さんが丁寧な接客をしてくれた。

祖谷蕎麦の特徴は、蕎麦粉十割で、
つなぎを使わず、あえて長い時間打たず、
太くて平たい麺にして、
打つ強さはやや弱めの圧で仕上げるので、
箸で持ち上げると、麺が簡単に切れる。

そして切れたところから、蕎麦の香りが、
ふわぁ~と鼻に入ってくる、砕けた蕎麦が舌の奥に広がる…
強く打ったり長時間捏ねたら、こうはいかない。
本当は温かい祖谷そばの方が、
より強く香りを楽しめるのだけれど、
猛暑と、とりあえず今は涼みたい欲求には勝てなかった。
真夏の冷やしぶっかけ祖谷そば、冷たくて美味しかった。

尚、祖谷そばは他の地域の蕎麦とは根本的に別物である。
見た目はきし麺風、味わいはそばがき風とでも言おうか?
祖谷以外の蕎麦のように舌先と喉ではなく、
舌奥と鼻で楽しむのが祖谷そばである。
太くて平たくて、なおかつ、
途中で切れて砕ける蕎麦以外は祖谷そばではない、
そば粉だけ祖谷のものを使っても、
無駄にコシがあったり、妙に細かったりして、
作り方が違うとそれはもう似て非なるものに過ぎない。
もっとも、そばがきが嫌いな人であれば、
祖谷そばは口に合わないかも知れないけれども。

さて、祖谷は平安時代末期に、
屋島の源平合戦で敗れた平家の落武者が、
住み着いたけれど、橋がないと不便…
そこで、いつ源氏の追っ手が来ても、
楽々逃げることができるように、
切り落として足止めすることを前提に、
かずらで編んだ橋が設けられた。


余談ながら…阿波の平家伝説について。

日本各地に平家の落人伝説があるけれど、
祖谷の落人伝説は特別であり、
歴史を覆す内容である。

屋島の合戦で敗北を喫した平家は、
平家再興に必要不可欠な存在、
建前上の総大将(まだ幼児だから指揮はできない)
である安徳天皇を逃がすために、
平清盛の甥、平国盛が率いる精鋭部隊を結成し、
(平国盛→改名:平教経→再改名:平国盛)
小さな村を形成するに足る、
多くの女人を含む非戦闘員も引き連れて、
阿波と讃岐の境にある阿讃山脈の大川山峠を越え、
その南側に位置する吉野川を歩いて渡り、
(上流には晴れの日が続くと、
大人なら歩いて渡れる浅瀬が数ヶ所ある。)


更にその南側に位置している、
四国山脈の落合峠を越えて祖谷の山中に移り住み、

開墾して小さな村を2つ作った。
東側に馬場が作られ、基本的には要塞の役割を果たし、
西側は農業が栄え、基本的には生産の役割だったと、
言い伝えられている。
それが東祖谷山村と西祖谷山村である。

尚、檀ノ浦の海の上で源氏に追い詰められ、
平家の女官が船から飛び込んで、
自殺した時に道連れにされて海の底に沈められのは、
安徳天皇ではなく、影武者にされた子供だった、
三種の神器のうち、剣も偽物だった、
本物は山に隠され、その山は剣山と呼ばれるようになった、
(剣山=徳島県美馬郡つるぎ町にある徳島県で一番高い山)
と言い伝えられている。

ちなみに、説と呼ぶにはあまりにもリアルガチ?な、
遺跡やら墓所やら伝承やら儀式やらがあり過ぎて、
徳島県西部では大多数の人が、当たり前のように、
それが本当の歴史だと信じているので、
(授業でもそう教える先生がいるけれど、
それが史実だと信じられているのと、
本州では違う歴史を信じているから、
テストでは本州に答えを寄せるようにと、
フォローもしているから、
父兄からのクレームには発展しない。)
細部は様々な説がありまくり、
その女官は影武者の母親だった、
という説を唱える人もいる。
考えてみれば、源氏に利用されるのを防ぐために、
身の回りのお世話係の女官が独断で帝の命を奪えるのか?
という疑問と違和感があったが、
偽者だとバレたら処刑される、
死体が残らないようにすれば本物に追っ手は向かわない、
母子引き離されてバラバラに処刑されるよりは、
影武者の役割も果たした上で、
母子一緒に海の底へ…と考えたとしたら辻褄も合う。
なので私もその説を信じている。

やがて祖谷に住み着いた平家の落人達は、
滝に集まって琵琶を楽しんだり、


気持ちに余裕は出てきたけれど、


落人達にとって、最悪の事態が発生した~続く。