なんともドラマチックなラスト。
砥石城の疑問もこれで一気に解決。
「風林火山」の小山田信有には、討死よりも彼により相応しい最期を用意してくださっていたのだな、と感じました。
お館様の父への命のそのまた命で、於琴姫の屋敷の庭仕事をしていた原リツのお陰で、すんなりとお目通りが叶う勘助。
於琴姫。
いいですね~。
綺麗ですね、可愛いですね、天然ですね。


BGM

こりゃ、お館様の心も休まるわ。

勘助、本当はとても怖い企みを胸に抱いていたのですが、そんなことは何もなかったかのような雰囲気になってしまいました。
駒井の予感的中でした。

於琴姫は既に懐妊中。
当時の姫様方は誰もが願うことなのでしょうが、和子様であって欲しいから、そう思いながらお腹の子を慈しんでいるのだと。
武田を背負って立つような強い子を。
勘助、取り合えずこのことだけは釘を刺しておきます。
武田には御曹司の他に、諏訪の姫様が産んだ四郎様がいると言うこと。
そして勘助が会いに来た事を口止めしておきます。
お館様の耳に入らないように・・リツにも父に言わないようにと。(ぷぷっ

油川家も信虎によって滅ぼされた身の上。
諏訪の姫と、自分は同じ。
けれど、今お館様を慕う気持ちは自分の方が上、と、優しいような、強かなような、不思議な姫様ですね。
(他にも、勘助生まれつきそんな怖い顔だなんて、可哀想~、とか

姫にも色んなタイプがいるもんです。
一方由布姫は、諏訪に戻る前にお北様から、気高く、武田に屈しない心を持ち続けていることに対し、諏訪が平安であることが武田に勝ったことになり、武田と諏訪の永劫安泰に繋がるのだ、
と言われます。
定めを持った女は哀しい、けれど強い。
晴信を好いてくれた事、母として感謝している

流す涙と共に、由布姫の孤独で頑なな心も、解きほぐされていったのではないでしょうか。
お北様の存在って、大きいなあ。
一家に一人、こんな陽だまりのような存在は必要だな・・と感じます。

今川に嫁いでいた晴信の姉の死後、越後といずれ始まるであろう戦を思えば、新しい武田との和平の証が必要でした。
晴信は、自分の娘を今川に嫁がせることを考えていたため、ずっとそれが先延ばしになっていました。
勘助が提案したのは、逆に今川の姫を、武田の嫡男に迎え入れることでした。
晴信は、まだ幼い娘を手放すことに躊躇いがあった為、それは願ってもない話でした。
が、今川とこの先戦が始まることがあれば・・・嫡男・太郎のことを思うと、それが気になるところでした。

今川ですが、かねてから武田を低く見ていたので、姫を差し出す話には義元も寿桂尼も、怒り心頭。
浮かれておる、侮っておる。

雪斎だけは冷静に、太郎が家督を継いだ時のことを考え、今川には有利な話では?と思うのですが、ただ、太郎以外の男子が継いだ時のことまで予測して、これが勘助の画策だとすると、危険が伴った話だと、分析します。
今川向けに細心の注意を払って選ばれた、見目麗しく由緒ある使い・信廉&駒井ですが、不吉なものを読み取った駒井は機転で、
雪斎様と違って、軍師とはいえ、足軽同然の勘助に、そんなことを決める権限はない!
と、きっぱり言うのですが、駒井の最近の活躍ぶり、決して派手ではないのですが、目を見張るものがありますね。


さて、そんな勘助の密かな企み、勘助は否定しますが、小山田もなんとなく気付いてしまっているようです。
今川だけ誼を結んで、北条と何もなしではいけないので、そちらの取次ぎ役を小山田に頼む勘助ですが、ここでちょっとしみじみとした会話がなされます。
勘助を怖いと思ったことはないが、子を持った女子と言うものは怖い、と。
小山田は、ずっと以前から、美瑠姫の子が、自分の子ではないと言うことを、うすうす感じていたようです。
二ヶ月も早く生まれたこと。
そして、砥石城の戦の前に子の顔

それを知りつつも、美瑠姫を思い、支え守って行きたいと思う自分って、愚かだな~、と感じながら、そこに幸せを感じているんですね。
かつて自分の父親も武田に敗れ、家族を守るために武田に下った。
そんな経験があるからこそ、自分は騙されていることになるけれど、美瑠姫のしたことは立派だと思えるのですね。
そして勘助が由布姫とその子を心から思い支えていることも、愚かだけれど好きだと。
それが小山田と勘助の、最後の会話でした。
その美瑠姫の子(志賀城主の子)は、数日後に病で亡くなってしまいます。
定めは恨んではならぬ、と抱き寄せた小山田の笑みが許せなかったのか、或いは、小山田が以前から真実に気付いていた、と感じ取ったことがショックだったのか、美瑠姫の中で、ピンと張っていたものが、そこで切れてしまいます。
小山田は、美瑠姫に寝首をかかれて落命。
美瑠姫も、自ら命を絶ちます。
小山田は、いつかこんな日が来るかもしれないと、密かに覚悟していたのではないでしょうか。
そして美瑠姫は、小山田に憎さと愛しさと、どちらの感情も抱きながら生きていたのでしょう。
そなたがわしを抱いたのじゃ。
直訳すると、小山田のエロ発言になりますが、今日のこの話を見ていて、美瑠姫が小山田を選んだ、身を委ねた、という事ではなく、小山田が美瑠姫によって何かから救われたのだ、と、勝手な翻訳をさせていただきました。
元々は、志賀城落城の折、美瑠姫を小山田に与えたのは晴信。
それを側室に向かえ、命を奪われたとは、他国に聞こえが悪い。
んで、小山田は砥石城の戦で、討ち死にしたと言うことに、歴史は語り継がれることに相成った

と茶化したいような、茶化せないような、なんとも哀しい出来事でした。
皮肉屋で抜かりなくて、いつも勝ち組にいるようで、誰にも心を許していなかったような、そんな小山田の偽りのない優しい思いを、最後に見ることが出来たから、哀しみと言うだけでなく、なんと言えばいいのでしょう・・。
美瑠姫の倒れた、雪の白さのような清々しさを感じた、と言ったらいいのでしょうか・・・。
武田家臣団、段々と寂しくなっていきますね。

あ、忘れておりましたが、於琴姫は、姫君を出産なされました。
小山田様のご冥福をお祈りいたします。


ご参考にどうぞ。
「風林火山」公式HP
昨日は大変邪道ながら・・・(汗)、ラジオで首位攻防戦を聴きながら、大河をテレビで拝見させて頂きました。。。
小山田さん、突然に表舞台から去っていってしまいましたね。
とは言え・・・板垣とは違う意味で、本人にとっては悔いの無い最期だったかもしれませんね。。。
かつての晴信の暴走のあおりを、喰ってしまったとは言え・・・小山田さんにとっては、人生の上でとても貴重な時間を過ごせたのでは。。。
大河も後半になってくると・・・いつもながら、表舞台が去る人が多くなり、寂しくなって来ますね。。。
わたくし、昨日はショックのあまり、あれが清々しいとはどうしても気がついてあげれなかったのです。
ひどい死に様でしたが、甘利~と同じく、あれはあれで彼らしい最後だったのですね。
私はレビューを書く時,邪道ながら(?)「生きる」を見たり、「輪違屋」を見たり、気分もそぞろだったので、途中できっぱりレビューの方を止めました。
脚本家さんは、それぞれの登場人物に、それぞれ似つかわしいラストを、心を込めて考えておられるのではないかと思います。
小山田は、美瑠姫と出会い、亡くなるまでの期間は、幸せだったように感じましたね。
そんなことが伝わってきた、勘助との最後の会話の場面は、貴重な一コマでしたね。
甘利~で思い出しましたが、彼の最期も、ねー、ちょっとちょっと・・って感じでしたよね。
それが甘利~らしい、って思えてしまうあたりも、なんとも・・。
皆々様のご冥福をお祈りいたします。
この先はこんな言葉が出てしまうような場面も多くなるのかな?
於琴と由布は正反対の姫君といった感じですね。
駒井は法律を作ったり外交などで活躍していると思います。
小山田は最後は人間味あふれる感じでしたが、武田家家臣が少しずつ減っていくのは寂しいです。
ミル姫自害シーンでは切なくなりました
「戯言を申すな」から、いろいろありましたもんね
小山田さまとミル姫の愛、見事にまとめていらっしゃる。
読んでいてうるっときましたよ~
由布姫
於琴姫
美瑠姫
皆、武田家に実家を滅ぼされ
否応なく武田家に嫁ぐ事を強要される宿命を
背負わされた女性達でしたが
小山田もまた父親が武田家と争い敗れ
降伏し、そして武田家と共に生きる道を選んだ。
そして彼の今がある。
だからこそ彼には美瑠姫の事もよくわかるし
彼女を好きになってしまったからこそ
由布姫をただ一人で守り続ける勘助の気持ちも分かるのでしょうね。
「さにあらず」
この言葉が今回一番心に響きました(;∀;)
さくらこさんの記事を読んで目頭が熱くなりました。
(;.;)
勘助に美瑠姫について語るときの小山田様は今までで一番、安らぎに満ちているように思えました。美瑠姫の事を案じるセリフもいくつかありましたが、小山田様にとっては、姫と一緒に悩んで解決を模索する事ですら幸せだったのかもしれませんね。
>お北様の存在
あの晴信も母上には逆らえませんものねー。
息子を諌め、嫁をフォローし…気苦労が絶えませんね。
武田に家を滅ぼされた身でありながら、武田の行く末を
一番案じているお北様…由布姫にも見習ってほしいものだわ~