「生きるぼくら」です。
母親から愛想をつかされて、一人ぼっちになった引きこもりの青年が祖母からの気がかりな年賀状を受け取り、田舎へ旅立つところから物語が始まります。
痴呆になりかけている祖母のことが気になり、ちょうど同じ時期にやってきた異母妹の女性とともに、嫌々ながらも自然豊かな田舎で過ごすことになります。
不自由な田舎暮らしになかなかなじめない中、祖母が実践している昔ながらのお米作りの話を聞いて、興味を持つようになり、お米作りを一緒にすることになります。
田植え、雑草抜きなど、とても手間がかかる作業をしていくにつれて、引きこもりだった青年が不器用ながらも少しずつ心を開いていくとともに過去あった辛い出来事を受け止めていけるようになります。
お米作りの手間と苦労、お米作りにかける人たちの想いだけでなく、祖母の介護に対する苦労や葛藤が、生き生きと描かれており、色々な出来事に対して一喜一憂しながらも、お米を収穫し、みんなでご飯を食べる収穫の喜びを、本を読みながら、まるでその場にいるかのように感じることができました。
お米作りを通して、青年だけでなく、痴呆症を発症した祖母、異母妹の女性、近所の人たちの心が徐々にひとつになっていくところが、とても素敵でした。
もし、本屋さんで見かけたときは、ふと手に取って眺めてみてください。
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