猫語のブログ〜ねこさんの、ぼくによる、ねこさんのためのよみもの〜

「猫語の教科書」をだいざいに、しもべいくせいほうほうなど。

まぼろしのねこさんのこと 後

2022-11-13 | 日記
ねこのみなさんごきげんよう。

ぼくは、そのベッドがお好みなのではないのです。
そこにあるそのベッドがお好みなのです。
ここにあるそのベッドは、
そこにあるそのベッドとは
全くの別物なのです。
どこにあってもそのベッドならよいなどという
せっそうのないことは
ぼくはいたしませんよ。

さて、そのごまぼろしのこねこさんが
どうなったかそのつづきをお話ししましょう。

このおたくにきたのは
もうあたりはまっくら、
ねこさんのおめめがゆめのように
かがやくお時間のことでした。

ぼくは結局そのひのうちには
こねこさんのおつらをおがむことはできす、
こねこさんがしずかになったあとは、
まるでこねこさんなどいないように
いつもどおりの時間がすぎてゆきました。

つぎにおひさまがぼくをてらしたとき、
ぼくはおなかがすきましたので、
こねこさんのそんざいなどわすれ、
おたけびでもってしもべを呼び続けていました。

ようやくよういされたおさかな生活をたいらげて、
おなかのおけなみおのてていれもおわり
ひといきついたときに
どこからともなく、うまいうまいと
ごはんを食べる声が聞こえてきたので
ぼくはこねこさんのことをおもいだしました。

思い出したらさいご、
もうきになってしかたありませんのですが、
しもべガードは、けしてくすりをうけいれようとしない
ねこさんの構えにひってきする堅牢さであったため
おすがたをこのおめめでたしかめることは
できませんでした。

結局こねこさんのおつらをおがむことが
できましたのは、つぎにおひさまがぼくを照らしたとき
でした。

こねこさんは白装束のやかたへつれていかれ、
とくべつなやくひんをひとふきされ、
ようやくぼくにおあいできる準備がととのった、
としもべはそう言いました。

ぼくは、ついにこねこさんにお会いしたわけですが、
あまりにちいさく、まだねこさんとして
しあがっていないことがすぐわかりました。

まだ、ごじぶんのことをねこさんときめていない
そんなおとしごろのこねこさんなのです。

ですから、ぴょんぴょんとびはねたり
ころころころがったり、はしりかたもごとごとで
兎だかボールだかぜんまいじかけのおもちゃだか
わかったものではありません。

おめめにしたものはなんでも
おててとおはなでもってかくにんしなければ
きがすまない時期でもありますので、
あんのじょう、ぼくはあちこちをてしてしされ
くんくんされ、あやうくおけつホールまでも
てしてしされそうになりましたので、
すかさずおつむをおさえつけてやりました。

いつだかの女の子もそうでしたが、
これくらいのおとしごろのこねこさんには
たいへんに苦労をします。

うっかりすれば無体をはたらかれそうになりますし
わからせようとするときには、
ちからかげんをあやまりますと
とんでもない無体をはたらくことになります。

しもべのしつけもたいへんくろうをしますが、
それとかわらぬくらい、おつむをなやませることになります。

しかし、ぼくにはわかっていました。
このこには、べつのしもべがすでに
よういされているのです。

そのにんげんは、せんぱいしもべが5しもべもいる
おたくにさいきん入ってきたにんげんで、みずからも
しもべになりたいとのぞんでいます。
しかもそのおたくには、りっぱなねこさんが2にゃんいます。

まだごじぶんをねこさんときめていないこねこさんが
まねかれるには、このうえないおたくです。

すべては、れいのねっとわーくによって
采配されたことで、それはしもべかいに
よういされたさまざまのツールにより
かならず成就いたします。

あんのじょう、つぎにぼくがうるわしい
おひさまのかがやきにてられたとき、
しもべは、こねこさんをもちはこびできる
おうちにいれて、こねこさんのはばかりと
ごはんとともに、どこかにふらりとでかけてゆきました。

しもべがかえってきたときには
もちはこびできるおたくには、
こねこさんはもう、いませんでした。

そのことがわかっていましたから、
ぼくは、このこねこさんに
たったひとつのことだけおしえてあげました。

ごじぶんのにおいがきょうれつにするので
あんしんなのかもしれませんが、
はばかりは、おねんねするにはふさわしくありません、
ということです。

あとはすべて、あちらのおたくの
ねこさんにおまかせすればよいでしょう。


ぼくのしもべがこのこねこさんとおあいし、
新しいしもべのおたくへおとどけしたと言う事実は、
例のネットワークが、人類総しもべ化計画を
着実に推し進めていることの表出であり、
その表出である今回の事象が、
このようにスムーズに着地したことを鑑みるに、
当該計画に少しの破綻がないことは明白で
その大目標はこの時点でほぼ達成されており、
あとは時間の問題であると確信するにいたり
ぼくは、はればれしいおきもちになったことを
ここにいいそえておきます。

 おしえてあげているときのごようす
 


まぼろしのこねこさん 前

2022-10-29 | 日記

ねこのみなさんごきげんよう。
ねこさんには、さむさがおみみやおはなにしみる
そのときがきてしまいました。
さむさ has come.
ぼくはえいごもしょうしょうたしなむのです。

さて、ぼくはごじぶんのきおくに自信がなくなるまえに
このことについて書いておきます。

なにせそのこねこさんんは
つねにぴょんぴょんしていましたから
ぼくはそのこねこさんの、残像しか
ご覧になったことがありません。

ぼくにとっては、残像と幻はほとんど
おなじものですので、そのこねこさんが
本当に存在したのか、しなかったのか
おねんねからおめめざめするたびに、
あいまいになっていきます。

いまはまだ、あのこねこさんがひみつの
こみちにのこしていった、
こねこさんらしいはぐれ毛がありますから
それでまぼろしではなかったと、
ぼくは言うことができるのです。

。・¨˙.゜🐾。・゛。゜:≈´∆`≈・。゜。・🐾:。・˙.˙º・

そのこねこさんは、すこしまえにぼくがみくだす窓から
しっかりとわからせてあげたこねこさんでした。

しかしわかってくれたとおもったのは
ぼくのまったくのげんそうでして、
とうのこねこさんは全くわかっていなかったのです。

けっきょく、そのこねこさんは、はいつくばるむしに
ついていってしまっておかあにゃんとはぐれ、
雨の中、よるになってもおかあんにゃんを
呼び続けていました。

ぼくは、なんともむなしいおもいをしながら
あめのおとにおみみをゆだね、
いつもどおりのばしょでおねんねして、
しもべのかえりをまっていました。

しもべがおいていく、ちょっとしたおしょくじも
なくなったころ、いつもどおりしもべがかえってきました。

めずらしく、帰って早々しもべがちゅーるさんを
とりだしましたので、ぼくはすばやいうごきで
いつものばしょにむかい、ちゅーるさんがでてくるのを
お待ちしていました。
きっと、おめめはうれしさのあまり、きらきらと
かがやいていたことでしょう。

しかししもべは、まっているぼくのよこを
ちゅーるさんを持ってとおりすぎ、
またふらりとでかけていったのです。

そのときのぼくのおきもちを
ことばにすることはとうていできないでしょう。
さいだいきゅうのいげんをもって
遺憾です、というほかありません。

ぼくはしばらくぼーぜんとして、
おこることもわすれていました。

ぼくはどれくらいぼーぜんとしていたのでしょうか。

お外につながるドア扉が開いた音がしましたので
ぼくはふとぼくをとりもどし、
それとどうじに、おこなわれたうらぎりにたいして
いかりを思い出しました。

お外につながる扉があいたら
だいたいすぐにしもべはかいだんにつづく
この扉をあけるはずです。

ぼくは、いかりをさけび、しもべが
ゆるしを乞うのをまちました。

でも、なんだかようすがおかしいことにぼくは
きづきました。
ぼくではないねこさんがこのおたくいるようなのです。

しかも、とてもちいさい。

なぜわかるかといいますと、きょうふのあまり
おいかりになったねこさんは、威嚇というものをします。
その威嚇の音で、ねこさんの大きさや威嚇経験値がだいたい
わかります。

このねこさんは、威嚇種類は空気砲タイプで、
きこえてくるその音から、とりこめる空気量はすくなく、
はきだすときの圧もぼくのため息とおなじくらい
ということがわかりました。

つまり、おからだはちいさく未熟で、
また威嚇経験値もひくいということです。

それでぼくは、ぴんときました。

ぼくのいうことが全くわからなかった
あのこねこさんがいるのだと。

それならば、ぼくはなんとしても
そのこねこさんのおつらをおがまなければなりません。

そして、だからいったでしょ?!と
言わなければならないのです。

それでぼくはひっしにしもべに
うったえましたが、
しもべはぼくのお顔をみるなり
おさかな生活とちゅーるさんを
食卓に準備しましたので、
おなかがすいていたぼくは
うっかりごはんにむちゅうになってしまいました。

そうこうしているあいだに、しもべは
こねこさんのためのおへやをしつらえ、
こねこさんをおなかいっぱいにし、
お湯責め、タオル巻きもおわらせ
こねこさんをぬくぬくにし
しずかにさせてしまいました。

しもべが、こんなにもてきぱき働けるなどと
ぼくはこのときまでしりませんでした。

<つづく>

空気砲のこねこさん


されたらおいやなこと3選

2022-10-06 | 日記
ねこのみなさんごきげんよう。

ここのところ、お外からおかあにゃんをよぶ
こねこさんの声がいたします。
ひらひらまう蝶や
うりうりはう虫などに気を取られ
おかあにゃんがみえなくなってしまうのでしょうね。

ぼくは先輩として、
見下すまどからこねこさんにむかって
じゅうぶんわからせてあげましたか
きっとあしたからはおかあにゃんと
はぐれることはないでしょう。

・゜・。🐾・・゜・🐾・:・。・゜🐾・。゜・・゜🐾・・。゜🐾。・。

ねこさんはそもそもが
とてもかんだいないきものです。

なにせ、きちんと礼をつくしてお迎えするというのなら、
しもべのおたくに行ってあげるのがねこさんですからね。
こううのさんこのれいにこたえる
こうめいのようなものです。

ぼくはもしかすると、そんなねこさんのなかでも
かんだいさがおおきいほうのねこさんではないかと
おもいいたるふしがあります。

しもべがそそうをしたからといって、
きばでもって過ちのいみをわからせたり、
おつめでもって恐怖をあたえたり
することは、なるべくしないようにしているからです。

しかし、そんなぼくにも、
されたらばすなわちねこさんぱんちをおみまいせざるをえないほど
されたくないことがいくつかあります。

こんかいは、かずあるされたらおいやなことから、
とくに、きわめておいやなこと3つをごしょうかい
しようとおもいます。


・゜・。🐾・・゜・🐾・:・。・゜🐾・。゜・・゜🐾・・。゜🐾。・。

1、おててをぱくりとされること

しもべがたまに、ぼくのおててをじっとりとみていることがあります。
ぼくのおててはまっしろです。にくきゅうは
ぴんくとこげちゃいろのバランスがぜつみょうです。
なので、しもべには、ぼくのおててが、ぎゅうひにくるまれたアイスや、
いちご味のちょこと、みるくちょこががったいしたおかしに
みえることがあるのでしょう、ぼくのすきをついて
しもべの口にぼくのおててをまるっといれてしまうのです。

ですのでぼくは、ぱくっとされていないほうのおててでもって
ようしゃなくぱんちをします。
これは、もう、ほんのうてきはんしゃで
かんがえるよりもさきに、
パンチがでてしまうようなものです。

しもべのおくちからぼくのかわいらしい
上腕がでている、その絵面が、
いっしゅんたりともがまんならないのです。

2、あくびをしているあいだにお口にしもべのゆびをスタンバイされる

うとうとしているときに、すこしものおとなどして
おめめがあきますと、ねこさんはゆめのような
あくびをしますね。
ちょっとおめめはあきましたけれど、このあくびのあとは
またすぐにおねんねする、そんなあくびです。

そんなとき、しもべがそばにいた場合、
ぼくがあくびをおえて、おくちをとじたとおもったら
なにかがはさまっておくちがとじない、
ということがあります。

とじるとおもったおくちがとじないし、
おくちになにかがはさまりますので
ぼくはびっくりして、あがが、となってしまいます。

こうなりますと、なりゆきで
しもべの指をがぶりとしてしまうのもおわかりいただけるでしょう。
しぜんのせつりといいましょうか。
もう、そうならざるえないのです。
たとえ、ひつよういじょうにあごちんに
ちからがはいっていたとしても、
それはいとしたものではなくほんのうによるもの、
ぼくはそうおもいます。

3、おひげを生けられる

ねこさんからこぼれおちたおひげは、しばしばしもべに
みつけられることがあります。

ただしいいもべは、こぼれおちたそのおひげをひろいあげ、
おしいただいて、ときおりとりだせるようおひげボックスに入れたり、
いつでも愛でられるよう、おひげアルバムにコレクションしたりするでしょう。

しかしこれが、ふとどきもののしもべのばあい、
こぼれ落ちたおひげを、ねこさんのおけなみに
ぷすりとさしてたりしておもしろがるあそびをします。

まるでおひげとはかんけいないところにおひげを生けて、
そんなところにおひげをはやしたねこさんのおすがたをみて
その非日常性をたのしむ、とこういうわけです。

どんなおすがたのねこさんも、かわいらしいことは
よくわかります。

そのかわいらしいねこさんが、
おかしなところにおひげを生やしている。
たとえば、おでこのまんなかですとか
にくきゅうのあいだ、
しっぽっぽのさきなどです。

この、すこし間のぬけた感じが
かんぺきなねこさんのあいらしさにくわわることで
かわいいだけではないねこさんのみりょくが
うまれるのもわかります。

しかしざんねんなことに、そんなことは
ねこさんのぼくにはどうでもよいことです。

おひげのねもとのちくちくしていますね。
そのおひげが、おひげのあるべきばしょでないところにささっていることで
いつもちくちくしないところがちくちくするので、ぼくはとてもいらいらします。

そして、そのちくちくのばしょが、
ぼくのおててやラングドシャがとどかないところのばあい
いらいらは、ただのいらいらではなく
いらりいらりになり、それがいらりいらりいらになったところで
ぼくは、しもべのてをおつめでおさえつけて、いちばん痛いように
がぶりとします。

やはりこれも、わからせるためになどとあえて意図して
そうしているわけではなく、むいしきでおこなわれていることです。

・゜・。🐾・・゜・🐾・:・。・゜🐾・。゜・・゜🐾・・。゜🐾。・。

さて、ぼくのぼくのおいやなこと3つのごしょうかいがおわりました。
3つにげんせんするのにも、ぼくはかなりおなやみました。

こうかきつらねることでわかったことは、
ぼくが本能的無意識的に
しもべにご無体をはたらくばあいでも、
けっていてきな傷をおわせないようにしている
そんなぼくというねこさんのいがいないちめんでした。


さっこんの白装束のやかたについて

2022-09-14 | 日記
ねこのみなさんごきげんよう。
しもべがぼくをよぶときにあたり、
た・ションといったりします。
ションをちょっと鼻にかけたようなくぐもった
ちょうしではつ音します。
フランス語ぽいそうです。


きょうは、とてもたいせつなことをここに
かきしるすつもりです。
これをしることにより、ねこのみなさんが
ただしくこうどうできるようになれば、と
それがぼくというねこさんのねがいです。

そのひは、さいきんのしもべにしては
はやくにかえってきました。
それでぼくは、おひるのおねんねをきりあげて
しもべにぼくのほじゅうをさせてあげました。
しもべはよろこんでぼくのおせなかをなで、
おくびをわしゃわしゃし、おなかをスーハーしました。

しもべに、ぼくがじゅうぶんほじゅうされましたので、
ぼくはおしょくじをおめしあがりになることにしました。

ねこさんくさをいただいてから、
さいきんおきにいりのおさかな生活が
でてくるのをまちました。

これはたいへんおいしく、かおりもほうじゅんで、
ほんもののおさかなにくらべると、やせいのおあじは
すくないものの、かえってそれが、ぼくのような
しもべをもつくらしが長くなったねこさんにとっては
やさしいおあじにもかんじられ、おかわりをしてしまうほどです。

この日も、ぺろりとおめしあがりになってしまったので、
おくちのまわりを、ぼくのちいさなラングドシャで
きれいにしながら、しもべにおかわりをしょもうしました。

しかし、さっきまでそこにいたしもべがおりません。
ねこさんのおしょくじのとちゅうで、どっかにいってしまったのです!

ぼくは、しもべにあるまじきこういがおこなわれたことをしって、
おくちのまわりをきれいにしながらも
あらぶったお気持ちのまま、
ぼくのおいすにとびのりました。

その瞬間、なぜかぼくのおくちがとじなくなったのです。

ぼくはびっくりたまげまして、おもわず
ぎゃっといってしまいました。

そうしましたら、しもべが人間用のはばかりべやから
のこのこともどってきました。

ぼくは、ごじぶんになにがおこったかわかりませんでしたから
しもべにみられるのがおいやでした。

あまりにぶざまなおすがたは、いくらしもべにといえども
みせたくないのがねこさんのプライドです。

ですが、おくちがとじませんので、
おくちからはぼくのにおいのする液体が
こぼれてしまっています。
とめようとおててでごしごししても、
とまるものではありません。

ぼくはぼくをつかまえようとするしもべの手をのがれたいし
ぼくのにおいのする液体をどうにかしたいのですが、
りょうほうともをかなえるのはおててにあまるとはんだんし
このさいぼくの匂いがする液体のことはわきにおいて、
ぼくのおへやの、しもべをみくだすベッドに
いくことにしました。

ここはしもべの手がとどきませんからね。

いちもくさんにみくだすベッドにむかいましたが、
しかし、しかしぼくは、みくだすベッドにのぼる
階段のとちゅうで、覚醒したしもべによって
いけどりにされてしまいました。

それでしまらないお口のままのぼくは袋につめられ、
袋からおかおだけをだすかっこうになったぼくを
しもべはふくろごと抱えておそとにとびだしました。

ぼくは、ぼくがどうなるのかひとつもわからず
しもべにただしがみついているあいだに、
たくさんのこねこさんのこえがするところに来ました。

これまでのけいけんからいくと、
ふくろにつめられたぼくは、白装束のやかたと
よばれるところへつれていかれるとそうばがきまっていました。
そこには犬がいて、白装束のにんげんがいます。
ぼくは、台のうえにのせられその白装束につかまれ、
ひっくりかえされたり、おしりにぶすりとされたり、
おけなみをけずられたり、はたまたその下の、
ほんたいにだけ攻撃をうけたりと
とにかく、いきるかしぬか、というほどのおめめにあいます。

しかし犬ではなくこねこさんがたくさんいるので、
ぼくは白装束のやかたではないところに来たのだと
ほっとしました。

こねこさんのおすがたを、おめめでみることは
できませんでしたが、ひっしにうったえるこねこさんの
あいらしいこえがきこえました。

うったえはそれぞれ、おなかがすきました、
これはおなかにはいりませんがどういうことですか、
おねむなのです、ぼくはここです、というぐあいです。

こねこさんのかわいらしいおおきなこえに、
ぼくのおめめはしぜんとしぱしぱしてしまいました。

白装束のやかたではないとおもっていましたから
しらないばしょでしたが、ぼくのおきもちは
こねこさんのおこえのために、くつろいでいたのです。

しかし、なにがおこったのかぼくは
いつのまにか台にのせられ、つめこまれたふくろからひきずりだされ、
5.6kg・・・だいぶおおきいねといわれ、
しらないにんげんにおくちのなかをのぞきこまれるという
うきおめめにあっていました。

でも、このにんげんは白装束ではなかったので
ぼくはやっぱり白装束のやかたではないと思いました。

そのにんげんは、ぼくのするどいきばがすきなのか、
きばのことばかりみてくるのです。
さらにすきがすぎたのか、きばをちょんちょんしたりします。

じつは、このごろしもべもぼくのするどいきばを見つめては
ちょんちょんしてくるようになっていました。

ぼくはするどいきばをさわられるのがとってもお嫌でした。
ですので、ちょんちょんされそうになるとおかおを
そむけたりしていたのです。

どうやらさいきん、にんげんのあいだでは
ぼくのするどいきばがブームなのだなと思いましたが
どうしたってさわられるのはおいやでしたので、
ひっしでさわられないようにしたのです。

しかし、このにんげんは、ねこさんのあつかいに
たいへんたけているようで、このにんげんにおかおを
つかまれていると、どうしてもうごかせず、おててもだせず、
ただかりてきたねこさんそのもののように
かたまるしかできないでいました。

そうやってぼくがうごけないでいるうちに、
ぼくのするどいきばにごしゅうしんなこのにんげんは
ぼくのするどいきばをつかんではひっぱります。
どうやら、ぼくからするどいきばをちょうだいしよう、
ということのようでした。

どうあがいても、しっぽっぽさえ満足にうごけないじょうきょうのもの
抵抗らしい抵抗もできぬまま、
そのうちぼくのするどい牙は
にんげんの手中におちてしまいました。

そのあと、ぼくはおくちのみずぜめにあいました。

あごちんもじゃぶじゃぶみずぜめにあいました。

ぼくがあまりのできごとに、ぼうぜんとしていると
こんどは風ぜめにあいました。
あごちんはぼうぼう風にせめられました。

ぼくはぼうぜんとしたまま、なすがまま
なされるがままですべてがおわり、
またふくろにつめられました。

そしてしもべが、もういちふくろごとぼくをかかえたとき、
ここが白装束のやかただと、突然わかったのです。

ぼくは白装束のやかたの気配をさっちすると、
マナーモードの携帯のようにおからだが震えるしくみになっています。
ですので、そのあとのぼくは、ぼくのおたくにはいるまで
ずっとふるえていることになりました。


みなさん、きをつけてください。
白装束のやかたには犬がいないことがあります。
そして、白装束の一味は、白装束でないばあいがあります。
今回の白装束の一味は、青装束でした。

ぼくは、こんらんのあまり、ちゅーるさんを
めしあがるのもわすれて、しもべを見下すベッドにて
おねんねしてしまいました。

みなさんには、そのようなひげきがおこりませんように、
ぼくにおきたこのことを、わすれないでおいてください。

ねこさんのポエム

2022-08-26 | 日記
ねこのみなさんごきげんよう

ぼくがおけなみのおてていれをしもべにゆだねるのには
じつはもう一つ理由があるのです。

ぼくがおけなみのおてていれをしていますと、
おてていれのおわったところに
しもべが鼻をうずめてにおいをかごうとするのです。
そうなると、ぼくはもういちどそのぶぶんのおてていれを
しなければならなくなり、いっこうにおてていれが
おわらないのです。

ぼくはこのしもべのことを
妖怪鼻うずめとよんでいます。

そろそろしもべのポエムをかりとらなければと、
あちこちをさがしていたところ、
ぼくがたわむれにしたためたポエムをみつけました。

ご自分でも、このようなポエムをあんだことを
すっかりわすれていましたが
ぼいくのしもべ愛がよくあらわされているとおもいましたので
ごひろうすることにいたします。

ぼくはこのポエムをあんだつぎのひのあさに、
しもべにわからせるひつようを感じて
ぼうけんのたびにでかけたのです。

題は「しもべよ」です。



しもべよ

おめめにはぐれ毛でもはいっているの
たくさん、みずがでておるね

みずはのむものだけれど
おめめからこんなにみずがでるのなら
きっとはぐれ毛のせいだよ

しもべよ

みせてごらん、おめめをぼくにみせてごらん
みてあげよう、はぐれ毛がはいっているかみてあげましょう

さ、ぼくをだっこっこしてごらんなさい
それでぼくはおひざのおやまのうえにすわってあげましょう

きょうはとくべつ
ぼくをみつめることをゆるしてあげましょう

そうすれば、おめめにはぐれ毛がはいっているかわかるでしょう

さあ、ねているしもべをやめて
ぼくのほうをむいたらいいのです
きょうはとくべつ
ぼくのうしろあんよをさわらせてあげましょう

しもべよ
ぼくのおうたがきこえますか
ぼくのぐーぐーがきこえますか
ぼくのおたけびはとどいていますか

ぼくのこの献身に
しもべよ、たったいっぽんきりのちゅーるさんで
つりあいがとれると
しもべよ、そうおもうのですか

しもべよ

おめめのみずがとまらないのだから
きょうはとくべつみのがしてあげましょう

しもべよ
ほら、ぼくよこに、おすわりなさいよ