ボトルから飛び出てきた切り株

日常的に見慣れたものでも、その大きさが変わると違和感を感じて「見慣れたもの」と脳がすぐに認識しなくて混乱することがある。

ポップアートでは、ウオーホルやラウシェンバーグが日常的なものを素材を変えたり、置き場所を変えたり、大きさを変えたりと面白いことをしていた。

日常は、ひとつの側面であり、異なる顔を持っている─と言う感じに。


このギャラリーにいた切り株は、アーティストの意向でワインボトルの栓になった。
この大きさ、椅子かと思うくらいで点々と置いてあると、うっかり座ってしまいそうだ。

どこかの博物館で一升瓶より大きな「一斗瓶」というのを見たことがある。
高さが80㎝くらいありそうで、中身が入っているとひとりで持つのは無理そうだった。
使われなくなったのは、やっぱり持ち運びが大変だからということなんだろう。

ところで、このコルク栓に合うワインボトルを想像したら、あきらかにギャラリーの天井は突き抜けていることだろう。

それを飲みつくせるかどうかというよりも、ソムリエが重機を使って栓を抜いたり、グラスに注ぐ様を想像して、ちょっと笑った。

お客もやっとの思いで栓を抱えてワインの香りを試したりする。