神様の切り株

小学校に通うようになったころ毎日この前を通った。
スクールバスの窓から見える坂道の林の角で大きく字を書いてあった。

２年生頃には読めるようになった。
地の神様らしい。
馬頭観音とは違うものらしく、土地を守る神様です。

数年前に町の歴史の本に、この神様が今と少しも変わらない姿で何十人もの人たちに囲まれて撮った写真を見たことがある。
ここでお祭りもあったらしい。
朽ちることもなく腐ることもないその姿は、やはり神様だからなのだろう。

ここに置かれた頃、まだ後には林がなくて、現在も林はない。
神様が生まれた昭和12年よりあとに林ができて、そして消えていった。

うっすら空色に塗られた神様は、いまも土地を見守り続けている。
神様の目にも世の中は変わった。
牛が放された放牧地も今はキャベツ畑です。

長生きはしてみるもんだなぁ。。。

神様はそんなこと言わないだろうけど。