怖い話 vol.12

怖い話　vol.12　【一週間以内】


※注)前置きが長いです(;´Д`A ```



これは、私達家族がマンションから引っ越しをして、
古い一軒家に住んでいた時の事。


引っ越し当時、私は5歳でしたので引っ越しに口出しする事も
勿論ありませんが、今もしあの家に引っ越すとなると、
絶対反対するでしょう。

間取りは3DK
庭がついていて古い家ですが、部屋は全て6畳ありました。

閑静な住宅街で、駅までは歩いて10分ちょっと位でしょうか。


一軒家にしては、家賃がちょっと安かったんです。


玄関を入ると目の前に大きな鏡がとりつけてあり、
すぐ左にはトイレ。

これって、良くない配置だそうです。




妙な空気のある家でした。



なんだかんだで、9年位は住んでいたのですが、
引っ越ししてから数カ月後に母が亡くなりました。


これは関係ないかもですが、この家に来てから、色んな事が悪い方へ向かったのは確かです。



住んでいる間、
不思議な事は沢山起こりました。


その中の一つをご紹介します。


台所に立つと、右後ろに階段があります。
その階段、とっても違和感がありました。

何かが、居る、ような・・・。
誰かが、じーっと私の背中を見ているような・・・。


何度か父に言った事があるのですが、

「気のせい気のせい」

と、あしらわれていました。


この家に住んでいる間は台所に立つとずーっとその感覚があったので、
別の家で暮らしてからは、そういう感覚ってほとんど感じない事にちょっと驚いた位です。


母が亡くなり、暫くしてから兄が怪我をしました。

学校の体育で脱臼したようです。


それから1年と経たない時に、今度は私が左腕を複雑骨折しました。


何年か経ってから、
父が乗ったタクシーの運転手が居眠り運転をして事故を起こし、
後部座席に乗っていた父は鎖骨を折ってしまいました。


他にも色んな事故や病気を発症したり、ドロボーに出くわした事もあります・・・。


私が中学2年生の2月に、引っ越しが決まり、私達は引っ越しをしました。

一日目は引っ越し先にガスが通っておらず、
仕方なく前の家にお風呂に行ったのですが、
中はもぬけの殻だったのが、異様に見えて気持ち悪かった思い出があります。



さて、引っ越しをして2日目。
3人で食卓を囲み、食事をしていた時の事です。


父が話始めました。


「実は、二人が怖がるだろうから言ってなかった事がある。」


私達兄弟は怖い話大好きなので、興味津津。


父の話はこういうものでした。


前の家の階段に、おばあさんの霊が出る。
勿論、そのおばあさんは全く知らない人です。

下半身が透けていて、暗い顔をして、ただそこに居るのだそう。


私は「やっぱり！誰か居たんだ！」と思いました。


父が初めてそのお婆さんを見た時、まあ、放置していいだろうと思い、
無視したそうです。

暫くして、兄が怪我をしました。



また、父がお婆さんを見ました。

暫くして、私が骨折をしました。



そう、お婆さんが現れてから一週間以内に、家族が怪我をするのです。


次にお婆さんを見た時は、父が事故に巻き込まれて骨折しました。



そうやって、現れるたびに、何かが起きたのです。



住んでいる家の周りには、同じ大家さんの借家が固まっていたこともあり、
私達よりずっと前から住んでいる方が何軒かありました。

父は自分の家について聞いたそうです。


私達家族が引っ越してくるまで10年程ずっと空家だったそうです。

その前の前に住んでいた住人の中にお婆さんがいて、
痴呆だったかで、この家の庭で首をつって亡くなっていたそうです。

そのお婆さんなのかは、正直解りませんが・・・。



最後に父が言いました。

「実は、引っ越しをする前夜に、お婆さんが出たんだ」


私達はゾっとしました。


一週間以内・・・・必ず何かが起きてる・・・。


父はさすがに最後に怒ったそうです。


「いい加減にしろ！俺達は心機一転頑張るつもりなんだ！」と。


すると、スーっと消えてしまったようです。



引っ越してから一週間以内、特別何かが起きた記憶はありません。