東日本大震災から7年が過ぎました。自然災害は誰をも責めることはできませんが、今だ多くの人が故郷福島に戻ることができません。そんな現実をみると、原発事故は人間の傲慢さが招いた人災であると言わざるを得ません。あの事故を契機に改めて感じたことは、全ての生物に生死があり、この地球もいつかは滅びるのであれば、人間はもっと自然に対して謙虚であるべきだということでした。7年前の当時を振り返ってみると、たとえようのない葛藤や不安を私自身が何か行動することで、取り去りたいという気持ちが日を追うごとに強くなったことを覚えています。全く無名で社会奉仕活動とは無縁の私には、行動に移すための勇気が必要でしたが「子供たちの笑顔が見たい」という単純で素朴な思いが、私に強い意識を持たせました。「今の私に出来ることは、絵を描くことで皆さんの不安を少しでも和らげること」だと。普段の何気ない会話や子供たちのお笑い声がどれほど心地よいものかを私は避難所生活のなかで励まし合い、助け合う人たちから感じ取ることができ、私自身が皆さんの姿に勇気づけられたのです。この子たちの健やかな成長と、故郷に戻れる日が一日も早く実現されること、そして被災により亡くなられた方々へ謹んでご冥福をお祈り申し上げます。2018.3.19