論系室だより

-早稲田大学文化構想学部 現代人間論系の教員・助手からのメッセージ-

『卵子提供――美談の裏側』上映会(無料)5月31日(土)

2014年05月22日 | 教員から(著書・論文・イベント等紹介)
『卵子提供――美談の裏側』上映会(無料)

 ドキュメンタリー映画のご案内です。今や、アメリカでは巨大産業に成長し、新しい技術が投機対象ともなっている不妊治療。
 中でも盛んに取引されている卵子は、精子に比べて提供者へ負担が重く、様々な問題があるとされています。
 日本でも、20代の女性向けにカスタマイズされたFacebook広告に卵子提供もとむ、の文字が踊る時代。
 第三者の身体を利用する生殖医療について、考えさせられる映画です。


【日時】2014年5月31日(土) 
開場 13:00
開演:13:30~15:30
(上映約40分+上映前に日本語版制作者による説明、上映後に上映会主催者による解説と意見交換)
【場所】明治学院大学白金キャンパス 3号館3201番教室
 (アクセス http://www.meijigakuin.ac.jp/access/

 主催:妊娠研究会  協賛:代理出産を問いなおす会

【映画概要】
 原題「Eggsploitation」2013年 米国The Center for Bioethics and Culture制作 45分)
今やアメリカの不妊治療は数千億円規模の巨大産業に成長している。そこでもっとも盛んに取引されているも のは何か?――人間の卵子だ。大学構内の掲示板やソーシャル・メディア、オンラインの求人広告では、 若い女性たちが数十万円から数百万円、時には1000万円にも達する額を提示されている。そして誰かの夢を叶えるために「人助けをしましょう」と甘い言葉 で誘われるのだ。

それらの求人広告はもちろん、映画やテレビドラマまでもが卵子提供に好意的だ。卵子提供は、女性たちの助け合い、自己犠牲、科学技術の華麗なる成果として 描かれる。 しかしそこに卵子提供の実態は表れていない。彼女たちが提供を決めた経緯はもちろん、どのように薬を服用し、手術を受けているのか、そして提供後、彼女た ちがどうなっているのかは美辞麗句の裏に隠されたままだ。

本映画の原題は『eggsploitation』。「eggs」(卵子)と「exploitation」(収奪)をつなげた造語である。作品内では当事者 へのインタビューを通じて、実際の「卵子提供者」の扱われ方、 提供者が経験する短期的リスクや長期的リスクといった、今まで知られていない実態が明らかにされる。そこからは、若い女性たちを資源とみなし収穫し続ける姿、すなわち卵子提供の常套句である 「人助け」とは対極の収奪システムが浮かび上がってくる。

日本語版制作について
日本語版制作は、「代理出産を問い直す会」が、2013年度竹村和子フェミニズム基金の助成を受け、生命倫理文化ネットワークセンターによる著作権の許可 を得た上で行った。 なお、本映画『eggsploitation』は元々2010年にリリースされたが、2013年10月に更に新たな事例を追加した新バージョンが再リリー スされた。今回、日本語版制作に用いたのは、 この新バージョンである。
Eggsploitation日本語版制作委員会
 総合監修・翻訳:柳原良江
 編集:石川公彌子・勝野有美・平岡章夫
 映像:鈴木良子
 翻訳協力:大野和基
 コーディネート・翻訳協力:Christian Justin Shearn
 医学監修:打出喜義

予告篇 
https://www.youtube.com/watch?v=qcYWxVdqR8Y

詳細URL http://wan.or.jp/information/index.php/event_show?id=2573

チラシ
http://www.meijigakuin.ac.jp/~atsuge/images/eggsploitation.pdf

現代人間論系室
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