今日は住宅の分類をしてみました。分類するためには基準が必要ですが、二つの軸を考えました。
ひとつは地域性と一般性です。住宅は地域ならではのデザインがあります。日本らしいとかヨーロッパ風だとか北欧風だとか、南仏風だとかです。地域性は地域の材料や技術、人びとの嗜好や歴史によってつくられてきたものです。対する一般性というのは、特に1900年ころから世界中に共通に作られるようになった直方体や平面、曲面の組合せで構成された近代建築があります。地域の特性にこだわらず装飾を排し、シンプルで抽象的な美しさを表現したものです。これは地域性と一般性の軸です。
もう一つはOPENとCLOSEの軸です。開放性と閉鎖性です。日本の数寄屋造りは柱で屋根をさせる構造は基本で、外部や部屋と部屋の境は襖や障子で構成されており、非常に開放的な空間の構成になっています。一方でヨーロッパの組積造の家は壁で建物を構成しているので構造的に窓は小さな穴をうがつように設けられており非常に閉鎖的な空間となっています。数寄屋もヨーロッパの組積造も地域性の強い家ですが、一般性の強いつくりでも壁で構成して隙間や壁に穴をあけて窓をつくるなど閉鎖性の強い家もあれば、壁のほとんどをガラス張りにして視覚的にも外部とのつながりを感じる開放制の強い家もあります。前者の代表的な建築家はル・コルビジェや安藤忠雄があげられ、また後者はミース・ファン・デル・ローエがあげられるでしょう。
またバランスの良い建築家としてはFLライトや吉村順三らがあげられます。
お気に入りの住宅があれば、この二つの軸でできた平面に当てはめてみると面白いでしょう。
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